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バルセロナで開催されたMWC 2015より。クアルコムは60GHz帯を使う新規格Wi-Fi 802.11adのデモンストレーションを実施しました。
高速通信・低遅延が特徴で、大容量ファイルの転送だけでなく、従来は帯域のために有線接続だった高精細ディスプレイなどの無線化にも活用できます。
スマートフォンやルータで普及しつつある802.11acは5GHz帯を使い「ギガビットWiFi」がうたい文句ですが、60GHz帯の 802.11ad では更に高速な「マルチギガビットWiFi」を売りにしています。
60GHz帯(ミリ波)通信は広帯域が使える一方で電波の直進性が高く『室内の壁も超えられない』(担当者)ことから、60GHz WiFiに加えて2.4GHz WiFi (802.11b/g/n)と5GHz WiFi (802.11ac)に対応するトライバンドWiFiプラットフォームとしての普及を狙います。60GHzが届かない場所では2.4GHz帯または5.0GHz帯にシームレスに切り替わります。
こちらは 802.11adの特徴の一つ「低遅延」のデモ。担当者は『レイテンシはほぼ無い』として、実際に11ad経由でパソコン画面を高精細モニタに飛ばす様子を展示しました。軽く触れた限りでは、遅延はほとんど感じません。キーボードやマウスでワイヤレス化が主流になったように、11adの普及で高精細モニタがワイヤレスでつながる未来を期待させます。
また802.11adは規格上は最大約7Gbpsで通信できますが、デモでは1つにアクセスポイントにパソコン3台を同時接続し、それぞれのスループットを測定。マルチギガビットWiFiをうたう通り各PCで約1.6Gbpsの通信速度を記録しました。
こちらは具体的なユースケースを想定した展示。空港搭乗ゲートの前に11ad対応のキオスクを設置し、手持ちのタブレットに映画ファイルを数秒で転送するデモを披露。クアルコム担当者は『マルチギガビットWiFiのユースケースはこれからいろいろ出てくる』と語ります。
なお802.11ad対応のWi-Fiルータは2015年後半に市場投入される見通し。クアルコムのハイエンドモバイルSoCのSnapdragon 810は802.11ad対応のMACを組み込んでおり、今後スマートフォンやタブレットでも対応製品が登場する可能性があります。