視聴率の低下に喘いでいるのはどの放送局も同じだが、中でも散々な数字に苦しんでいるのがフジテレビだ。"視聴率三冠王"ともてはやされたのは、遥か昔の話となり、今のフジテレビ社内は「まるでお通夜のよう」と話す人がいるほどひどい状況になっているという。
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「業界人の間では『フジテレビが嫌われすぎているので、何を放送しても視聴率が取れない』と言われています。『フジテレビが作った番組をテレビ東京で流したら、数字が取れるかもしれない』などと冗談を言う人もいるほどです。以前は番組が高視聴率を出すと局内に大きな紙が掲示されて、そこに数字がデカデカと書かれていました。しかし、最近は掲示できるような数字を出す番組もなく、掲示の担当者もいなくなったと言われています。おかげで局内は、雰囲気が悪いフロアも多いですよ」(制作会社スタッフ)
看板が嫌われては元も子もない。だが、それを言い訳にしているのか、「フジテレビはやる気がないとしか思えない」という声も聞こえてくる。
「大晦日は各局が大勝負を仕掛けにかかりますが、2014年のフジテレビは人気アニメ『ONE PIECE』の劇場版を再放送しています。しかも視聴率は3.3%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)と、NHKはもちろん民放各局の中でも最下位です。地上波初放送の作品ならまだ理解もできますが、過去にフジで放送したことがある作品だっただけに、完全に『匙を投げた』と他局でも驚かれていましたよ。2013年は東京五輪決定を受けてスポーツ特番を編成しましたが、この数字が2%台だったため、人気マンガのアニメならば、安パイと思ったのかもしれませんが...」(テレビ番組関係者)
かつての盟主の凋落を他局のスタッフの中には哀れみの目で見ている者もおり、また「フジテレビに負けじと企画を練っていたのに、やる気が出ないと言っているプロデューサーも多い」(同・テレビ番組関係者)という。
さらに、低視聴率が続く現状を嘆くあまり、フジテレビ局内スタッフのやる気も低下しているとの証言もあった。
「未来がないと感じている人が多いのかもしれませんが、今後どうやって生きていくかを考えている人が増えた印象です。芸能プロダクションや制作会社に入り込もうとする人もいるらしく、それまで邪険に扱っていた制作会社の人間やプロダクションのマネージャーに低姿勢になった局員も増えたと噂になっています」(同・制作会社スタッフ)
ライバル局の人間ではないが、競いあうからこそ頑張れることも多い。かつての三冠王がここまで没落している姿を見せていると他局もやる気が出ない気持ちも分かる。三冠王に戻るには時間がかかるとしても、いつまでも階段の下で足踏みするのはやめて、少しずつでもその階段を登ってほしいものだ。しかし、その力さえ無くなっているのだとしたら、いよいよ本当のお通夜が行われることになるのかもしれない。
(文=吉沢ひかる)