2014年8月ロシア連邦宇宙局が国際宇宙ステーション(ISS)の外窓にプランクトンなどの微生物が生息している形跡を発見した。これは宇宙船打ち上げ時に付着したものではなく「地球からの気流でプランクトンが宇宙空間まで吹き上げられたもの」と連邦宇宙局は発表しているが、UFO研究家スコット・ウェアリング氏は今回の発表を新たな証言と共に検証している。
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■宇宙空間までプランクトンが飛ばされてきた!?
ロシア連邦宇宙局の発表では、ロシアの宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)の船窓の表面を磨く作業に使用した布に付着していたプランクトンや他の微生物は、打ち上げ時に付着したものではなく、地球からの気流に乗って飛ばされてきたと考えられている。そうなると、このプランクトンは氷点下の温度、酸素の欠如や宇宙放射線にもめげず宇宙の真空中で生き残っていたことになるのだ。
また、このプランクトンは海洋性であり宇宙基地周辺にはない固有種のため、連邦宇宙局は「プランクトンは海からの気流によって付着した」と発表している。しかし、英シェフィールド大学ミルトン・ウェインライト教授は「このような物質を宇宙まで押し上げる仕組みは存在しない」と主張している。つまり、高度42万メートル上空の宇宙を旋回する国際宇宙ステーション表面までプランクトンが気流で運ばれるということはまずない、ということだろう。
■英・大学教授「宇宙由来の生命体を発見した」と主張
またミルトン・ウェインライト教授とその研究チームは高度2万7,000メートル上空まで袋をつけた気象観測用の気球を成層圏に飛ばす実験をしたところ、地球が由来となるにはあまりにも大きすぎる微生物を発見したとも発表している。
教授は「この大きさの微生物が成層圏まで進入できる手段は存在しておらず、宇宙由来の微生物である」と結論付け、今回の発見を「これは生命体が絶えず宇宙から隕石と共に降り注いでいることを意味するものである」と主張した。これに対しUFO研究家のスコット・ウェアリング氏は「よく言ってくれた! 現代科学に対しての偉大なる挑戦であり、あなたは英雄だ」と賞賛している。
■一連のまとめ
ロシア連邦宇宙局はISSで発見されたプランクトンを「地上から気流に乗り宇宙空間へ吹き飛ばされていった」と発表したが、通常この高さにまで微生物を吹き上げる気流は地球に存在しておらず、火山の噴火でさえ噴煙が成層圏にまで届くことはまずない。それらのことから、ウェインライト教授が発見した"成層圏で生存する微生物"は宇宙に生命体が存在することを証明するだけでなく、地球外から宇宙由来の生命体が地表に降下していることを裏付ける結果となった。
■パンスペルミア説を証明できるか?
パンスペルミア説という、生命誕生に関する仮説をご存じだろうか。これは「地球の生命の起源は地球ではなく、宇宙である」という説で、他の惑星で発生した微生物の芽胞(がほう)が隕石や彗星に付着して地球に到達したというものである。太古の時代から現代まで数え切れないほどの隕石が地上に落下しておりNASAによると現在でも1週間に1個ほどの隕石が地表に落下しているという。その中になんらかの生命体が付着していても不思議ではないのだ。もしかしたら微生物は衛星や彗星に寄生しながら宇宙空間を旅しているのかもしれない。
(文=遠野そら)