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“ハリル・ジャパン”がロシアまで続くかは協会の扱い次第。オシムの幻想に惑わされるな!

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“ハリル・ジャパン”がロシアまで続くかは協会の扱い次第。オシムの幻想に惑わされるな!

“ハリル・ジャパン”がロシアまで続くかは協会の扱い次第。オシムの幻想に惑わされるな!

 サッカー日本代表の新監督にバヒド・ハリルホジッチ(62歳)が就任。12日の日本サッカー協会の理事会での承認を経て、正式決定となった。

晴れて“ハリル・ジャパン”が誕生することになるわけだが、就任早々、彼は日本代表の「切迫した課題」を解決しなければならない。サッカージャーナリストの後藤健生(たけお)氏はこう語る。

「若手の発掘です。格下相手の試合が続く今年6月からのW杯アジア2次予選を使い、新戦力を代表に定着させる勇気と決断力を持てないと、肝心の2018年ロシアW杯本番でチームの平均年齢が高くなりすぎるしマンネリ化も招きかねません」

その点でも、ハリルホジッチは適任だ。10~11年シーズンに彼がディナモ・ザグレブ(クロアチア)で監督を務めた際、現地で密着取材を続けたリトアニア在住のサッカージャーナリスト、長束恭行(ながつかやすゆき)氏が証言する。

「ザグレブでの話ですが、10代の選手を積極的に起用していました。インテル・ミラノで現在10番を背負っているコバチッチも、当時16歳でデビューさせた選手です。一方で、彼はそういった若手を決して思い上がらせない厳格さも持っています」

なんとも頼もしい話だが、一方ではこんな懸念材料も。

「過去率いてきたチームのほとんどで、わずか1、2年、ひどいときには数ヵ月で、辞任もしくは解任という結末を迎えています。ロシアW杯までの3年余りの期間、職務を全うできるかどうかの不安は否めません」(後藤氏)

ただ、任期が短命になりがちなのは、それなりに筋の通った理由があるようだ。

「上層部から干渉されるのを極端に嫌う性格なのです。職分を超えて現場に口を出してきたり、チームを強くするための当然の要求が受け入れられなかったりすると、相手と徹底的にやり合い、それでも状況が好転しなければ仕事を投げ出してしまうところがある。決してわがままなわけではないのですが、うまく現実と折り合いをつけられる性格ではありません」(長束氏)彼自身はアウェーでの強豪国相手の強化試合を望んでいるのに、協会がテレビ局やスポンサーの顔色をうかがって国内でのイージーな親善試合ばかり組んだりしたら…。

「辞めてしまうかもしれませんね。彼にとっては、チームを成長させることこそがすべてですから」(長束氏)

また、すでに日本のメディアの間で広まりつつある「オシムの弟子」といった捉え方は、彼への評価を誤らせる要因になりかねないという。

「同じ国の出身ということで、日本協会がオシムに『彼はどんな人物か?』と聞きに行ったことは事実ですが、オシムとハリルホジッチが一緒にプレーしたことはないし、指導者としての師弟関係もありません。祖国の紛争によって激動の人生を歩んだ点は似ていますが、監督としてのふたりの特徴はまったく異なります。

にもかかわらず、『オシムとは違う』というだけの理由で不当な批判を受けたり、あるいは逆にオシムと同一視され、必要以上に祖国の紛争絡みのエピソードがクローズアップされたりしたら、それはハリルホジッチにとっても日本サッカーにとっても不幸なことだと思います。純粋に一指導者として、彼の手腕が日本で評価されるといいのですが」(長束氏)

果たして、ブラジルW杯、アジア杯と結果を残せず、閉塞感の漂う日本代表にどんな変化をもたらすのか。まずはその手腕に注目したい。

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