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【エンタなう】構想15年、執筆9年といわれる宮部みゆきのミステリー大作を映画化した「ソロモンの偽証」。公開中の「前篇・事件」に続き、「後篇・裁判」は4月11日の封切りだ。
原作の熱心なファンは賛否両論あるだろうが、前篇では、中学生を演じる子役陣の真っすぐで達者な演技に息をのんだ。
物語は、ひとりの級友の死をめぐり、生徒たち自らが“校内裁判”を開いて、真実を突き止める過程を描く。前篇は言わば裁判に向けた大いなる助走だ。成島出監督は1万人のオーディションから選んだ生徒33人のひとりひとりを容赦ないズームで追う。観る側は、自然と生徒たちに感情移入し、子供でも大人でもない“危険な14歳”の頃にタイムスリップする。
ヒロインの藤野涼子は、今回の役名で女優デビューした。清楚で利発、大器の予感を漂わせる。級友の死を最初に発見する男子生徒を演じる前田航基は、ちびっ子兄弟漫才「まえだまえだ」の兄として人気を呼んだが、こんなに大きくなったとは。不良役の清水尋也は昨年の映画「渇き。」に続くキレっぷり。ニキビ面に悩む女子生徒役の石井杏奈は、E-Girlsのダンサーだが、日ごろの活動とは明暗が逆転した好演だ。
映画のテイストは全く異なるが、高校の吹奏楽部を描いた映画「スウィングガールズ」が上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ、平岡祐太らを輩出したように、「ソロモン」出身者の今後も大いに楽しみ。
それから、脇役では怪演すぎる市川実和子にドッキリ。お見逃しなく。 (中本裕己)