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メゾン マルジェラ(Maison Margiela)15-16AWコレクションが発表された。ジョン・ガリアーノ就任以来初となるプレタポルテ。70年代を舞台にマルジェラというプラットフォームにガリアーノのエッセンスが注入されている。
テーマは「計算された不完全さの中に宿るはかない美しさ」。インサイドアウトの技法が象徴する。PVCボディスーツの上にライナーに用いられる刺繍地を張り、更にオーガンジーを重ねたトップスは、刺繍の糸が残され未完成であり、朧に見える糸がはかない。裁ち端の始末はなされず、裾は破かれたよう。フォルムはマルジェラのアイコン・人台のストックマンシルエットだ。
コートやジャケットの裏地はドレスが構築されている。アウターには背負うためのストラップが付属。レイヤリングすると裾がスカートのように表れ、ドレスのみ着るとアウターがトレーンのような表情を作る。
パテントコートのカフスがフラップとなったポケット、目のようなジャカード織りは、1月にロンドンで披露されたアーティザナルコレクションとリンクするディテールだ。
製作途中のパンツを元にしたスカート、内に隠されアタリが出たボタンやホックは正にマルジェラ。袖口の大きなカフス、過剰なボタン、エレガントなドレープなどにガリアーノを感じる。ガリアーノの真骨頂、バイアス使いのジャケットが復活しているのはファンに取ってうれしいポイントだろう。どこか優美で、はかなげに揺れる。
革小物も充実。ダブルストラップのサンダル、ヒールに包帯のようにリボンが巻かれたパンプスなどは新たなラインアップ。マルジェラのアイコンアクセサリー達は進化した。足袋シューズは指のスリットが緩和され、はかなげな窪みとなった。ショッピングバッグは左右のストラップ長が変わりクラッチバッグ、ベルトが付いてショルダーバッグになる。表がペーパーで裏がレザーというインサイドアウトしたタイプも。
見ているとどこからどこまでマルジェラでガリアーノなのか探りたくなるが、そんな考えは愚かなのかもしれない。これが今のマルジェラで今のガリアーノなのだから。