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今年5月に行われる「2015年ミラノ国際博覧会」(以下、ミラノ万博)日本館内に、展示コーナー「クールジャパンギャラリー(COOL JAPAN DESIGN GALLERY)」が設置される。経済産業省による初の取り組みで、ネンド(nendo)の佐藤オオキが総合デザインを担当。13産地16品目の伝統的工芸品を一堂に並べ、日本の匠の技を海外に発信する。
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約140の国と国際機関が参加するミラノ万博は、「地球に食料を、生命にエネルギーを」をテーマに5月1日から10月31日までの184日間にわたって開催。経済産業省は、2015年を「匠の技発信元年」と位置付け、「クールジャパンギャラリー」で箸や和食器などの伝統的工芸品を紹介する。世界的に評価をされているだけではなく「ミラノサローネ」への参加などミラノとの縁が深い佐藤オオキを起用することで、新しい要素がプラスされたこれまでにない伝統的工芸品を通じて日本が継承してきた知恵や技を広く伝える狙いだ。
色彩情報を取り除き質感の多様性や職人の高い技術力を鮮明に演出するため、佐藤オオキは出品する16点と展示空間を共に「黒」で統一。ギャラリーにはテーマ「食」に合わせてダイニングテーブルと椅子を配置する。作品が置かれるダイニングテーブルはエントランスから奥にかけて引き伸ばされたような形状で、エントランスからはテーブルの上のすべての作品を俯瞰できるという。椅子は脚立のように使うことで、様々な角度から作品を鑑賞することが可能になる。
展示作品は、”1本の箸”になる若狭塗箸や海図を西陣織で施したランチョンマット、大洲和紙で作った皿、美濃焼をカットして漆で継いだ皿など。木の板を曲げて作る大館曲げわっぱは、「仕上がりの美しさから手仕事としての魅力が実感されにくい。敢えて渦巻状することで直感的にわかるようにした」(佐藤オオキ)といい、箸置き、箸立て、楊枝立ての3つのサイズを展開した。半年間で作品を仕上げたという佐藤オオキは「職人の皆さんに救われた」と感謝を述べ、「見えない部分にまでこだわりを持つところが日本文化の素晴らしいところ。目に見えないものに価値を見出す感性や価値をミラノ万博で理解してもらえたら」とコメント。源右衛門窯社長の金子昌司は「来年で400年を迎える有田焼はこれまで白地と決まっていたので、これまでにない黒の作品が仕上がり驚いた」といい、「16点それぞれが一つの表現や技術に偏っておらず、全体のバランスが良くできている。来場者にはすべての作品をご覧になっていただき”佐藤ワールド”が評価されることを期待している」と話している。