社会そのほか速
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――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか? 主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――
■「Pick-up Voice」2015年4月号
出版社…音楽専科社
発売日…2月26日(毎月26日発売)
価格……1139円+税
創刊……2007年
「Pick-up Voice」4月号の表紙&巻頭大特集は『少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 50-』メインキャストの5人(逢坂良太、柿原徹也、山下大輝、蒼井翔太、小野賢章)。
『少年ハリウッド』は小学館文庫の同名小説が原作で、男性アイドルグループの成長を描いた作品だ。アニメ版は小説の15年後を舞台とするオリジナルストーリーで、メインキャストの5人は5人組アイドルグループ“少年ハリウッド”のメンバーを演じている。
同作で興味深いのは「小説×アニメ×ぜんハリ」という三位一体プロジェクトで、ぜんハリとは同プロジェクトから誕生した実在の男性アイドルユニット「ZEN THE HOLLYWOOD」のこと。ぜんハリは俳優・タレントで構成されており、同作の楽曲の公式パフォーマンスを担当している。
もちろん、声優陣も作中で歌を披露しているほか、キャラソンCDも発売している。だが、それとは別にぜんハリのメンバーも音楽活動を展開し、今年5月に開催されるイベントでは、第1部でぜんハリのライブ、第2部でキャストのトークショーという声優界と芸能界の融合が実現されるのだ。
作品と絡めた男性声優のアイドル活動といえば、近年では『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズが記憶に新しいが、やはり自分のようなオジサン世代が思い出すのは『鎧伝サムライトルーパー』の「NG5」かなぁ。NG5の詳細は割愛しますが、会場で失神者が出たり、一般メディアで取り上げられたりするほどの人気だったのですよ。
さて、今月号はほかにも男性声優5人組が登場しており、それがアニメ『美男高校地球防衛部LOVE!』のメインキャスト(山本和臣、梅原裕一郎、西山宏太郎、白井悠介、増田俊樹)だ。
同作を簡単に(乱暴に)説明すると“男版セーラームーン(orプリキュア)”なのだが、注目したいのはショタキャラ・箱根有基役の山本和臣クンである。アニメを視聴している方はご存じだろうが、なんとまあ和臣クンの声の可愛らしいこと!
ここで重要なのは「男性声優がショタキャラを演じられる」ということだ。アニメ関連のイベントも貴重な収入源となる昨今、“中の人の性別が同じ”というのは大事なファクターである。とくに『少年ハリウッド』や『地球防衛部』のように男性キャラメインの作品は、視聴者のメインターゲットが女性であるため、イベントに登場する声優陣も男性で固めるのが理想的なのだ。
そういえば、2006年にアニメ化された『桜蘭高校ホスト部』にも“ハニー先輩”こと埴之塚光邦というショタキャラがいたが、このときのキャストは女性声優である齋藤彩夏(ドラマCD版は大谷育江)だった。しかし、もしも『桜蘭高校ホスト部』のアニメ化があと数年遅れていたら、イベントを見越し、ハニー先輩役にはショタボイス可能な男性声優が選ばれたのでは……などと邪推してしまう。
現在、代永翼・梶裕貴・下野紘……などなど、ショタボイスを扱える男性声優も多い。何気なく視聴しているアニメでも、エンドロールで「エッ、この声、男だったの?」と驚く機会も増えている。なかには「ショタボイスは女性声優一択だろ!」と不満を抱く人もいるかもしれないが、声優ファンならば、男性声優のショタボイスに素直に感心できるような度量を持ってほしいなぁと思うのです。
(文/神楽坂隆)