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[写真]京阪枚方市駅の交野線ホーム。「私市」へ向かう電車が待機中
THE PAGE大阪が1月からお届けしている「難読地名を楽しむ」シリーズ。第3弾は交野、枚方から寝屋川、門真、守口市へと、京阪電車沿線をめぐってみることにしよう。元京阪キッズには懐しい駅名、王朝貴族の風流ライフを記憶する地名。平凡にして非凡なる「重箱読み」町名。難読地名京阪ツアー、出発進行~。
京阪キッズならみんな読める「私市」
[写真]「枚方市」駅から東へ歩くと、まもなく「大垣内町」。普通には読めない
京阪交野線の終点「私市」駅。ハイキングコースのスタート地点になっているが、なかなか「きさいち」とは読めない。
京阪沿線の子どもたちは遠足やキャンプなどで通ううちに、成長のあかしであるかのように、「きさいち」と体に刻んで覚えていく。后妃の私領にちなむ古い地名で、近くには関連する「私部」(きさべ)の地名も残っている。
私市駅から3つ目が「郡津」駅。「こうづ」と読む。古代の行政機関である交野郡の郡役場があったとされている。
交野市から枚方市へ。「枚方市」駅から東へ歩くと、まもなく「大垣内町」。読み方は「おおがいとちょう」だ。垣内とは防衛用の堀を張り巡らせた中世の環濠集落を指す。現在は市役所のほか、裁判所や税務署などが集まった官庁街になっている。
「禁野」は「きんや」。平安時代、朝廷が鷹狩りのため、民衆の出入りを禁じていたエリア。京で暮らす貴族にとって、ご当地は遠出を楽しめる手ごろなリゾート地で、華やいだ和歌も詠まれている。
「養父(やぶ)」「招堤(しょうだい)」「三栗(めぐり)」も、正確には読みづらい。「王仁(わに)公園」は、古代朝鮮から漢字を伝えたとされる王仁博士を顕彰して命名された。
「点野」は淀川のヨシ原広がる名勝地
[写真]「点野」は淀川のヨシ原広がる名勝地
西へ進んで寝屋川市に入る。比較的狭い地域ごとに付けられた町名が、今も継続して使用されており、調べ歩くのが楽しい町名の宝庫だ。
淀川左岸に沿って細長く伸びるのが「点野」。「しめの」と読める人はかなりの教養人。読み方も意味合いも想像しにくいが、枚方市の「禁野」と同じく、「点野」も古代の立ち入り禁止地域の示す言葉だという。淀川のヨシ原が広がる貴族あこがれの名勝地だったことだろう。
クスノキのご神木が高架式ホームを貫いているのが、京阪「萱島」駅。「萱」の字になじみがないため、「かやしま」と読むには、簡単そうでけっこう苦労しそう。一見地味な町名ながら、萱島本町、萱島桜園町(さくらえんちょう)、萱島信和町、萱島東などが隣接し、一大萱島ファミリーを形成している。
「大利町」は「おおとしちょう」。「上神田」は「かみかみだ」で、あわてるとカミカミカミ…と、噛んでしまいそうだ。
重箱読みで意表を突く展開に
[写真]守口市では「藤田町」にある公園で。「ふじた」ではありません
門真市では、「五月田町(さつきだちょう)」「桑才(くわざい)」「下馬伏町(しもまぶしちょう)」あたりが、やや読みづらい。
守口市では「藤田町」。一般的な「ふじたちょう」ではなく、「とうだちょう」と読む。二字熟語を読む場合、上の字を音読みし、下の字を訓読みする変則的読み方を、「重箱読み」と呼ぶ。この「とうだちょう」は重箱読みのため、初めての人には意表を突かれた感覚を与える。重箱読みを難読地名のバリエーションのひとつとして覚えておきたい。
(文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)
地図URL:http://map.yahoo.co.jp/maps?lat=34.7674977732864&lon=135.68644921748864&z=14
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