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広島県の山間部の自治体で、地元の高校生に都市部と遜色ない教育環境を整えようと、新年度から、高校内に塾を開いたり、塾講師を招いた学習支援などを提供したりする動きが進んでいる。
関係者は「大学で学んだ生徒が将来、地元に戻り、地域活性化などに活躍してほしい」と期待している。
神石高原町教委は4月から、同町油木の県立油木高1、2年生向けに塾の開講を準備。町教委によると、塾は同高内で、平日の放課後に英語と数学を各週2回、1回1時間ずつ、希望者に教える。有料で金額は検討中。「3年時に応用力を伸ばせるよう、基礎学力を身に着けさせたい」(担当者)としている。
同高は普通、産業ビジネス両科で1学年各1クラスの小規模校。有識者や地元関係者でつくる「活性化魅力化プロジェクト委員会」(委員長=木本成文・元油木高校長)が、町内唯一の同高の魅力向上策を検討していた。今月16日、町内に大学進学向けの塾や予備校がないことから、塾の設置などを含む活性化策を、牧野雄光町長に最終答申した。生徒へのアンケートでも関心が高かったという。
町教委の石田至正・教育コーディネーターは「町外の若者やU、Iターン者を呼び込むためにも、地域の高校の存続が重要。進学希望者に対応し、魅力を高めたい」と話している。
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庄原市の県立東城高(東城町川西)でも新年度から、塾講師が「コーチ」を務める「勉強部(仮称)」が始まる。同高同窓会やPTA、地元の小中学校校長らでつくる「東城高校を育てる会」が主催。
福山市坪生町南の塾運営会社「フォレストパワー」が講師を派遣。全学年の希望生徒が、毎週土曜日(月3回)に3時間、同高会議室で、個別演習形式で数学と英語に取り組む。庄原市の教育振興補助金や、PTA、同窓会からの支援金を基に、育てる会が経費の約半額を補助し、受講生徒は月2000~3000円を負担する。
同社の西本雅明社長は、「仲間と支え合い、『やればできる』を実感する手助けをしたい」と話す。同高の西村憲三校長も、「地域に学びの場を設け、学習習慣をつけることが大事。大学進学や地元を支える生徒を育てたい」と期待している。
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県内では、安芸太田町の県立加計高で初めて2011年度から、町が運営費を補助する公営塾「虎の穴」を設置。県外では、入学者増を目指し、広島県境の山間部、島根県飯南町が同県立飯南高と地元中学校の生徒向けに塾を設けている。(佐藤祐理)