社会そのほか速
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デ杯ワールドグループ、日本対カナダの1回戦(3月6~8日/カナダ・バンクーバー/ダグ・ミッチェル・サンダーバード・スポーツセンター)は初日のシングルス2試合が行われ、世界4位の錦織圭(日清食品)と同6位のミロシュ・ラオニッチ、両エースがきっちりと仕事を果たした。大方の予想通りの1勝1敗だ。
デビスカップでは、周囲の目にはまったく普段と変わらないように見える錦織すら「緊張するし、正直プレッシャーもかかる」と言う。しかも今回は日本にとって4年ぶりのアウェーだ。いろいろと勝手が違う。4年前のフィリピンとのアウェー戦では伊藤竜馬(北日本物産)と添田豪(GODAIテニスカレッジ)がいたが、添田が言った通り、彼らももちろん「欧米でのアウェーは初めて」。内山靖崇は今回が初めてのアウェーであり、頼みの錦織にとってもデ杯デビューの08年4月以来7年ぶりである。
その重圧の中、平常心で臨むことがいかに難しい状況であるかを、わかりやすく露呈してしまったのが植田実監督だったかもしれない。
初日は、監督と第2試合を戦った選手が並んで試合後に会見を行うのが通例。だが、錦織は一人で記者会見を行った。錦織も知らなかったが、実は植田監督は帰ってしまっていた。かなりの珍事である。
その後、ホテルから呼び戻されたのだが、試合内容や明日からの戦いのことなどをあれこれ考えていると、「うっかりバスに乗ってしまった」と釈明。咎(とが)は免れないが、悪気があったとは思えない。伊藤の起用は成功しなかったが、ITFが定める会見をすっぽかすほどの事態ではないだろう。ただいつもと違う思考状態であり、平常心でなかったとしか説明ができない。自らのデ杯代表経験はなく、チームを率いて2年の植田監督にとってもまた、デ杯のアウェーは初めての経験だった。
第1試合を戦った伊藤もやはり平常心に欠けていたのだろうか。自分の持ち味を早い段階から失ってしまった。相手が世界6位のラオニッチとはいえ、伊藤は昨年の楽天オープンで当時4位のスタン・バブリンカ(スイス)から金星を挙げたように、大物を食う力もある。地元のエースに、せめてプレッシャーをもう少し感じさせることはできたはずだった。
伊藤は、昨年ツアー2番目の記録となる1093本のエースを放ったビッグサーバーへの挑戦を、「リスクをおかさないと勝てない。いつもの自分の攻撃的なプレーに、サーブ・アンド・ボレーも混ぜたりして仕掛けていく作戦だった」と振り返った。…