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プロ野球・広島の新井貴浩内野手(38)が8季ぶりに古巣に戻り、プロ17年目のスタートを切った。阪神へフリーエージェント(FA)移籍した2008年には、広島の本拠地では大ブーイングを浴びたが、今季は大歓声に迎えられている。
先月27日にマツダスタジアムであったヤクルトとの開幕戦で、スタンドが沸いたのは七回だった。2死一、二塁の好機で新井が代打で登場。「応援がうれしかった。気負いはなく、逆に集中できた」。結果は右飛だったが、新たな一歩を踏み出した。4日後のDeNA戦(横浜)では、初安打となる代打2点適時打も放った。
広島工高、駒大を経てドラフト6位で1999年に広島に入団し、05年には本塁打王(43本)を獲得。07年オフにFA権を取得すると「環境を変え、野球人として前に進みたい」と考え、3度の交渉の末にFA宣言した。広島への愛着も強く、悩んだ末の決断。記者会見では「つらいです」と涙ぐんだが、主砲に去られたファンの視線は厳しかった。
阪神でも主力として活躍したが、昨季は出場機会が減り、オフに自由契約を申し出た。その直後に獲得に乗り出したのが広島だった。入団会見では報道陣から広島ファンの前でプレーする怖さを問われ、「正直ある。(ブーイングされた)7年前のことは、はっきり覚えている」と吐露しつつ「覚悟の上です」と言い切った。
球団幹部や首脳陣は、練習の姿勢や人柄も評価する。松田元(はじめ)オーナーは「みんなを率いて精神的にバックアップしながら、戦える選手。力を見せればファンも喜んでくれる」と期待し、本人も「結果はもちろん、(野球に取り組む)姿勢も一生懸命出したい」と心掛けている。
推定年俸は昨季の2億円から2000万円に。「関係ない。育ててもらった球団。プレーで感謝の気持ちを表したい」。通算2000安打まであと145本(1日現在)と大記録も射程に入る。先月痛めた右肘は万全ではないが、「行けと言われたところで全身全霊、気合全開で行きたい」と誓っている。【細谷拓海】