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「柱がマックしかない」マックは消えるのか?惨状を呼んだ大きな過ち もう耐えるしかない

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「柱がマックしかない」マックは消えるのか?惨状を呼んだ大きな過ち もう耐えるしかない

「柱がマックしかない」マックは消えるのか?惨状を呼んだ大きな過ち もう耐えるしかない

 

 日本に上陸して44年、巨人マクドナルドがかつてない窮地にあえでいる――。

 日本マクドナルドホールディングスは16日、15年12月期連結決算の売上高が前期比10%減の2000億円、最終損益が380億円の赤字となり、前期に続いて2年連続で最終赤字になるとの予想を発表した。

 また、全店売上高は昨年2月から今年3月まで14カ月連続でマイナスを続け、客離れも止まらない。その原因は周知の通り、昨年に明るみに出た期限切れ鶏肉問題、今年に入ってから連続して発覚した異物混入問題、そしてサラ・カサノバ社長をはじめとする経営陣の対応のまずさなどである。つい数年前までは飛ぶ鳥を落とす勢いだったにもかかわらず、相次ぐトラブルで泣きっ面に蜂としかいいようのない惨状である。

 お客の健康と生命を預かる企業としてあってはならないトラブルの数々だが、深刻な健康被害に結びついたというケースは報告されていない。いきおい、マクドナルドの経営陣が問題を過小評価してしまった可能性は否めない。

 マクドナルドには、マスコミや消費者運動に「狙い撃ち」されてきた歴史がある。糖分や油脂に由来する肥満などの健康問題、スチロール製容器の使用による環境問題、果ては肉牛が排出する温室効果ガスの責任まで問われている。
 
 例えば健康問題については、『スーパーサイズ・ミー』(米国/04年)という全編マクドナルド批判の映画までつくられている。主人公によって1日3回ビッグマックを食べ続けたらどうなるか、という身体を張った「実験」が行われ、見事に健康を害したデータが示されてエンディングとなっている。

 少し行きすぎではないかとも思われるバッシングであるが、小さな会社を「標的」にしたところでその話題性はたかが知れている。世界で圧倒的な知名度を誇り、ビッグマックが各国の物価を計る物差しとなるほどの存在であるがゆえ、そのニュース性もグローバル級なのである。

 つまり、「狙い撃ち」の格好のターゲットであるマクドナルドにとっては、マスコミ対応と消費者対応は、全社的なNo.1プライオリティといっても過言ではない重要性を持つはずである。その軽視こそが、まず同社が犯した大きな過ちである。

●外食産業は「しんどい」時代

 私たちが住んでいる日本は今、国民にあまねく携帯電話が行き渡り、お互いが24時間監視し合い、記録し合えるという「恐ろしい社会」である。厨房や貯蔵庫で悪ふざけをする従業員や異物が混入した商品の写真が、一夜にして何万、何十万という人の目に触れかねない。そして国内だけで年間延べ13億人が利用するマクドナルドで、何も起こらないというほうが不思議である。

 すなわち、目の前にいる客の健康と生命を預かる外食産業は、かつてないほど「しんどい」時代に入ってしまった。日本のマクドナルド、そして米国本社にとって最も頭の痛い問題は、「屋台骨がマクドナルドしかない」という現実ではないか。もともと飲食店はたった一回の食中毒で倒産してしまう、きわめてリスクの高いビジネスなのだ。筆者の実家は飲食業を営んでいたので、その恐ろしさは幼心に身に染みたものである。

 マクドナルドが結果として犯してしまった最大の過ちはおそらく、利益が出ているうちに「次のビジネス」を育成できなかったことにある。同じ「マック」のアップルはまずデスクトップコンピュータでブレイクし、稼ぎ頭を音楽(iPod)、通信機器(iPhone)とシフトさせながら今日の王国を築いた。これはできすぎた成功例ともいえるが、本来的にハイリスクを抱えた外食企業としてはそのヘッジとして、せめて同じ外食マーケットにおいてでも、マクドナルドが傾いたときに頼るべき柱を育てておくべきだったと考える。
   
 例えば1990年代前半のすかいらーくグループは、すからーくのほかにジョナサン、藍屋、夢庵、バーミヤンなどを擁し、さらにガストを開発するなどして、巧まずしてリスクヘッジが行われていた。逆に同社によって08年から果敢に進められたガストへの極端な傾斜という方策は、この意味で危ういものであった。

●じっと耐えるほかない時期

 では、マクドナルドは消えてしまうのか。

 筆者は必ずしも悲観論者ではない。「食」は健康と生命に関わるものだけに、客は店舗や商品に対して本能的に「安心感」を求めるがゆえ、「知名度の高さ」や「利用経験の多さ」は圧倒的な差別的優位性につながる。そして食に関する事件や不祥事を、消費者は驚くほど短期間で忘れてしまう。例えば今、雪印や不二家の商品を買うのに安心・安全面の不安で二の足を踏む客が、どれほどいるだろうか。

 マクドナルドが「自爆」する可能性を挙げれば、健康志向や高級志向、日本的嗜好への志向などといった「新たなニーズ」に過剰反応してしまうことだと考える。そういうニーズには他の企業がより上手に応えていくであろうし、応えようとすればマクドナルドは客が慣れ親しんでいる「マックの味」というコアコンピタンス(企業の核となる事業・強み)を失いかねない。

 身もふたもない結論だが、マクドナルドは今、「ただじっと耐えるほかない時期」だと思われる。そうすれば、いつか消費者は慣れ親しんだ味に帰ってくるかもしれない。

 しかし繰り返しにはなるが、この風雪の時期、頼るべき柱がほかにあと一つでもあれば、どれほど楽だっただろう。歴史に「IF」はないのだけれど。
(文=横川潤/文教大学准教授、食評論家)

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