社会そのほか速
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商店街の福引でもティッシュしか当たったことないレベルなのに、どういう訳か応募総数11万8千件・倍率125倍という超伝導リニアの体験乗車に昨秋当選。
【写真27枚】リニア体験乗車の模様を追跡!
「俺の人生にも一度ぐらいこんなことがあっていいだろう」と長州力ばりに思いつつ、夢の超特急へ乗るべく出掛けてきました。
夢体験の舞台となる「山梨実験センター」は「山梨県立リニア見学センター」に隣接。JR中央線の大月駅からバスに乗り15分ほど、終点がリニア見学センターです。
この日は体験乗車まで時間があったため、まずは見学センター内の「どきどきリニア館」へ。ここは世界最高速度581km/hを記録した試験車両や開発の歴史、超伝導の仕組みなどが展示されている施設です。
体験乗車に来たことを話しつつ施設の方に聞き込みを実施すると、「職員もみんな応募したけど、誰も当たらなかったんですよ」とのこと。身内にも全く容赦なし、恐るべきガチな抽選ぶりである。
と、ここで時間が来たので集合場所へ移動。記入など簡単な手続きを済ませ入り口を抜けると、会議室状の部屋に通されます。
ここでは体験搭乗にあたっての注意のほか、リニア開発の歴史を辿る映像が流され鑑賞。そういえば小学生時分から、リニアは「夢の乗り物」と呼ばれていたものです。その長きに渡る歩みを知ることで、搭乗の気分を高める演出効果は十分。一緒に乗る人たちと一体感すら芽生えてきます。
そしていよいよ出陣! (※気が昂ってます)とばかり、係のお姉さんの先導を受けリニアへGO。
座った場所の関係で列の先頭になってしまいましたから、何だかここでもドキドキ感アップ。足取りもどことなくスローモーションになったり、普通の廊下も何だか少し違って見えます。頭の中では『アルマゲドン』で主人公が宇宙へ向かうシーンがオーバーラップしたものです。
さて、通常の電車や新幹線のようにホーム的なものを想像していたのですが、扉をくぐるとすぐリニア。トンネルを抜けるとそこは……ならぬ“扉をくぐるとそこはリニアだった”という感じです。中は見知った新幹線にそっくり。
電光掲示板に最新のニュースが流れたり、車内販売のお姉さんがワゴンを押して出てきても何ら違和感ありません。座席にはよく見るレバーを横にひねって前に倒すタイプの机もついてます。
今日はまず実験センターから東京方面へ上野原市まで向かって270㎞に到達、その後今度は名古屋へ向かって最高速度500㎞まで持っていき、笛吹市に至ったところで折り返し再び500㎞で上野原市を目指し、その後実験センターへ戻るという30分ほどの行程。
行ったり来たりしながらたっぷりと乗せてくれ、なかなかに太っ腹です。この行程表は座席前方の画面に映し出されます。
そんな車内ウォッチもあらかた済んだところでいよいよリニアが発車。
何といっても時速500㎞ですから、グーッとキツいGが掛かってきそうなものですが、走り出してタイヤでの走行から磁気浮上に切り替わる時こそややブルブルとした振動はするものの、それとて飛行機の着陸時に比べれば微々たるもの。
リニアはすぐさま200㎞ほどに至りますが、「え、本当に走ってるの? 」と思わせるほどの静けさです。とてもそんな速度で走ってるようには思えません。
その印象は速度が上がっていっても変わらず。あんまり静かで落ち着いた高速体験に何だかビールとアタリメで一杯やりたくなってしまいます。しかしそんなどうでもいい心境に構うことなくリニアはどんどん速度を上げ、遂に時速500㎞を達成。
周りと一緒に思わず「おぉ」なんて声を上げてしまいます。この時、地上で最も速い男となった記念すべき瞬間です(未確認)。
その後リニアは徐々に減速して実験センターへ戻りますが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ならタイムスリップが可能な160㎞あたりでも「遅いな」なんて感じてしまうから、人間の慣れとは恐ろしいもの。しかし、実験センターへ着き降車する頃には、乗車したみなさんのホクホクした顔が印象的でした。
体験乗車が終わった後は帰りのバスまで、「どきどきリニア館」へ再び戻って余韻を楽しみます。ここでは走行実験中のリニアを窓越しに眺めることができ、あんまりスムーズな走行で乗っているとかえってその速さが実感できないリニアですが、いざ客観的に目にするとその速いことと言ったらありません。
現れるや否や、ヒュンと一瞬にして目の前から消えてしまうのです。そして「どきどきリニア館」とともに、見学センターもう一方の雄である「わくわくやまなし館」でリニアグッズとお土産を買い、体験ツアーの旅は終了。開業予定の2027年までリニアよさらば、となったのでした。
なお、リニア体験乗車は前回の8日間×1日3回=24回から、8日間×1日5回=40回へと大幅に増加させ、2014年度の第2回を3月17日より実施。はたして今回も125倍に迫る、あるいはそれ以上の高倍率となるのか!? ――なんて一度乗った強みでイヤな感じですが、やっぱりそれ以降は派手に体調崩したり、スマホも激しく損傷させたりとツイてない私でしたので大目に見てください。