3カ月ぶりに、初コースの京都。良血の牡馬たちが相手とくれば、多少の割引があってもいいのに、単勝1.7倍の断トツ人気。ルージュバックの強さをファンはよくご存じだ。
確かにすごかった。スタートが良すぎて、先手を奪い合うネオスターダム、エメラルヒマワリの後ろへ。「3番手で大丈夫かなと思ったけど、鞍上(戸崎騎手)にまったく心配した様子がなかったからねえ」と大竹調教師。後方からぶち抜いた前走と競馬は異なっても、結果は同じ。はっきりいって大楽勝だった。
「競馬場に到着してからも落ち着いていたし、輸送も何ともなかった。あと何をすればいいのか。走る馬は調教師がいらないというけど、ホント、もうやることがないんだよね」という指揮官の自画自賛を、そのまま受け止めていい勝ちっぷりだ。
結果的に引き立て役になったとはいえ、2着ポルトドートウィユも4角で外へ振られた以外は思いどおりの競馬。高野調教師も「デビュー時とは別馬と思えるほど。ひ腹の辺りがガッシリしてきた」と成長を口にしながら、ルージュとは2馬身差。オルフェーヴルの全弟アッシュゴールドの池添騎手も「馬ごみのなかで競馬ができた。成長力のある血統だし、作り直した成果はあった」としながら、勝ち馬には3馬身離されていた。
「気性の荒さを見せているとはいえ、牝馬特有のもの。ここまでは思い描いたとおりにきている。あとは多頭数。それがカギになるかな」と大竹調教師。次走は「桜花賞を含めいろいろ」と。牡馬相手のGIIIをあっさり勝って連勝を伸ばせば、確かに選択肢は広がってくる。 (南庄司)