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中国文化の「海外進出」・・・ハンディキャップは「文化的割引」=中国メディア

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中国文化の「海外進出」・・・ハンディキャップは「文化的割引」=中国メディア

 中国文化の「海外進出」・・・ハンディキャップは「文化的割引」=中国メディア

 中国共産党宣伝紙のひとつである光明日報は6日付で「文化的割引と文化商品の『海外進出』における経路の選択」と題する論説を掲載した。中国の文化や文化関連商品が海外に広まりにくいのは「文化的割引」というハンディキャップが大きく影響していると主張し、今後の展開には他国の文化を体系立てて研究する必要があると論じた。
 
  論説は冒頭部分で、「文化的割引(cultural discount)」という考え方を紹介。カナダ人専門家のコリン・ホスキンスとロルフ・マイルスが1998年代に提唱した概念で、例えばテレビや映画作品などが制作国以外の国では文化背景の違いにより評価が違ってくる現象を指す。
 
  分かりやすい例が言語で、英語が分からなければ英語で書かれた書籍や新聞は「価値がない」ことになる。中国語が分からない人には京劇や書道などの中国の伝統も「文化的価値なし」ということになる。
 
  論説は「中国はすでに世界第2の経済体になったのに、中国の文化産業は低迷を続けている」と指摘。一例として、欧米から中国への書籍の輸入は中国から欧米への輸出の1000倍以上と紹介した。
 
  論説は状況打開のために、世界各国それぞれについて、「文化的割引」の状況を知るための情報の収集と整理を行うべきと主張。価値観、文化と信仰、審美面における傾向などをよく知れば、「文化関連商品」を売り出す際に、「文化的割引」の悪影響を低減することができるとの考えを示した。
 
 **********
 
 ◆解説◆
  海外でビジネスを展開する場合には、相手側のさまざまな「文化背景」を綿密に知るべきではあるが、文化の差異が相手側による「評価の割引」にはならない場合もある。
 
  例えば、戦後のテレビ放送開始から間もないころ、日本では米国で制作されたドラマが大きな人気を得た。「家電製品があふれ、外出は大型車で」という、貧しかった日本人してみれば“夢のような”状況が描かれ、「明るく開放的な家族関係」、「ユーモアに富んだ会話」も日本人視聴者を魅了した。
 
  当時の日本人が米国製ドラマを評価した背景には、米国そのものに対するあこがれと尊敬があったはずだ。その結果、「文化の差異」はむしろプラスに働いたと考えられる。
 
  光明日報の主張のように、「輸出相手の文化的背景の研究」が有意義であることに間違いはないが、「文化関連商品」を受け入れてもらうためにさらに重要なのは「国や社会として評価され尊敬される」存在になることと思われる。…

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