「いないいないばあ」「ちいさいモモちゃん」などで知られる児童文学作家の松谷みよ子（まつたに・みよこ、本名美代子＝みよこ）さんが２月２８日午後６時１３分、老衰のため東京都内の病院で亡くなった。８９歳だった。東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。お別れの会を４月４日午前１１時から、東京都港区南青山２の３３の２０の青山葬儀所で行う。お別れの会委員長は孫の瀬川耕太郎（せがわ・こうたろう）さん。

　　社会派弁護士だった父の元に生まれた。戦後、児童文学作家の坪田譲治と出会い師事。１９５１年に初の童話集「貝になった子供」を出版、日本児童文学者協会新人賞を受賞した。結婚を機に民話に関心を寄せ、信州の伝説などに基づく「龍の子太郎」（６０年）で国際アンデルセン賞優良賞を受け、世界的にも評価された。また、野間児童文芸賞を受けた６４年の「ちいさいモモちゃん」はその後シリーズ化され、ベストセラーになった。

　　「いないいないばあ」などの幼年絵本のほか、戦中に青春時代を過ごした経験などから「ふたりのイーダ」「私のアンネ＝フランク」「ミサコの被爆ピアノ」など戦争や原爆をテーマにした社会的な作品も多い。