社会そのほか速
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この連載では、多角度からパーソナル・ゲノム・サービスの現象と本質を俯瞰しながら、数々の遺伝子検査にまつわるトピックを探ってきた。世界の動向を追ううちに明確な事実に気づかされる。それは、23アンド・ミーに出資し、情報ビジネスの頂点に君臨するインターネット検索エンジンGoogleの存在だ。Googleが虎視眈々と狙うヘゲモニー(覇権)は何なのか?
今回は、グローバル戦略を駆使するGoogleが取り組む、研究機関向けのヒトゲノム・データベースサービス、グーグル・ゲノミクス(Google Genomics)にスポットを当てよう。
人類が使うすべての情報を集め、整理し、世界中の人々がアクセスして使えるようにする。そんな人類未踏のビジョンと希有壮大なミッションを掲げてスタートしたGoogle。「余の辞書に不可能の文字はない」がナポレオンなら、「世界にアクセス不可能の情報はない」がGoogleだ。ググれば、だれでも・いつでも・どこでも、欲しい情報を手にできる。ウェブ検索エンジンGoogleが、遺伝子検査ビジネスに奇策を打って出た。
グーグル・ゲノミクスの真の狙いは何か?
2014年夏、アメリカ西海岸はここ数年、酷暑続きだったが、ビジネスシーンも過熱していた。インターネットの巨人Googleが、ヒトゲノムデータの蓄積・処理・検索や解析・共有を支援するクラウド・サービスのグーグル・ゲノミクスをついに立ち上げたからだ。
Googleは、老化や加齢に伴う疾患する先進ベンチャーのCalico(キャリコ)、パーソナル・ゲノム・サービスの23アンド・ミーのほか、がんや心臓発作の兆候を発見する研究部門Google Xなどを支援しながら、長年にわたってゲノム解析技術やゲノムストレージサービスの開発に携わってきた。グーグル・ゲノミクスは、そのひとつの集大成ともいえる研究機関対象のヒトゲノム・データベースサービスだ。
グーグル・ゲノミクスは、クラウドにヒトゲノム(ヒトの全遺伝情報)のデータベースを構築し、保管・管理する。ヒト1人のヒトゲノムのデータ容量は100ギガバイトもの膨大な情報量なので、小規模の研究機関の解析キャパを越えるため、大容量のストレージ(記憶装置)がなければ処理できない。年間1人あたり25ドルの低コストで、ビッグなゲノム情報をアップロードし、保存できる。それがグーグル・ゲノミクスの最大の強みだ。…