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戦後の日本を見てもわかる通り、公園や橋、ダムなど公共インフラの建設工事は、規模的にも金額的にも巨大なプロジェクトになるのが通例だ。
しかし近年は、環境保全やエコロジーの観点から自然への負担を最小限にすることを目指した建設も散見される。先日はイスラエルの公園にかかる橋のコンペで、これまでに例を見ない新しい発想の橋が勝ち抜き、注目を集めている。
■ リユース・リサイクルのアイデアを提案
テルアビブの建築事務所Yoav Messer Architectsは、イスラエルのテルアビブ近郊にある公園出入り口の橋のコンペに、船のコンテナをリサイクルして作る斬新な案を出し、見事最優秀賞に輝いた。
このアリエル・シャロン公園は、もともとゴミの最終処分場として使われていた敷地が、リサイクルセンターを併設した公園に生まれ変わったもの。2010年にはヨーロッパの権威ある賞のランドスケープ設計部門で『ベスト・グリーン・デザイン賞』を受賞している。
『Econtainer Bridge』と名付けられた今回の橋のプランは、荒れた都会の処分場から自然豊かな美しい公園へと回復する一帯からインスピレーションを受け、リユース・リサイクルのアイデアを提案することにつながる案を選んだということだ。現在は建設に向けて詳細なデザイン策定が進められている『Econtainer Bridge』は、完成後には歩行者や自転車、公園と駐車場エリアを結ぶシャトルが通行するようだ。
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■ コンテナを“完成した部材”として利用、建築スピードもアップ
毎年、世界で80万以上のコンテナが捨てられているが、こうしたゴミの山が橋として再利用される。内部の壁、天井、木の通路部分をそのまま利用するなど、コンテナが“完成した部材”として利用できるため、建築スピードの短縮が見込まれている。天井の一部には開口部が設けられる予定だが、この部分には太陽電池が設置され、橋や周辺の環境を照らすための“クリーン”な電力を供給する。
橋の中ほどには歩行者が足を休めることができる休憩スペース、そして屋上には一帯の景色が一望できるスペースも設けられる計画。公園の中へとつながる通り道としてだけではなく、通行する人が思い思いに楽しめる場所になるようだ。
本来ならゴミとして処理されるコンテナを、そのまま橋の部材として利用した『Econtainer Bridge』。まだ計画前の段階ではあるが、カラフルな外観もリユース・リサイクルのコンセプトも非常に好ましいものだ。こうしたリサイクル建築の試みは、地球環境と開発の両立を考える上でひとつのヒントになるのではないだろうか。
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