社会そのほか速
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昔、アニメ『機動戦士ガンダム』の最初のシリーズ、いわゆるファーストガンダムの人物分析をするという、恐れ多くも光栄なお仕事をしたことがあります。
そこでつくづく感心させられたのは、子供向けアニメのハズのこのお話の、圧倒的な男女関係における奥行きの深さです。
このお話、ちょっと思い出してみただけでも世の悩める女性たちのテンプレートがザクザク出てくる。
フツーの女の子であるがゆえに幼馴染のヒーローを射止められなかったフラウ・ボウ。
優秀すぎる兄(シャア)を持ったために縁遠くなってしまった美女セイラさん。
お嬢様育ちで不良に憧れ、いっときはそっちに行くんだけど、最終的には自分に一途でいいパパになりそうな男を選ぶミライさん。
子供心に愛人関係というもののゆらめきを初めて感じさせてくれたハモンさん。
ツンデレが災いし、最後には密かに想いを寄せていた年下の男(シャア)によって破滅させられるキャリアウーマンのキシリアさん、
……等々。
しかしなんといったって、子供心に「これぞ地上最強の女」と私に思わしめたのは、
「ララァ」
でした。
ガンダムをご存じない方々にざっくり説明いたしますと、ララァというのは物語後半に登場する孤児の少女。
時は未来、宇宙は地球連邦軍と独立国ジオン公国の戦争の真っ最中。そんな中で、戦争によって両親を失くしたララァは街中(おそらく売春宿)にいたのをジオン公国の指揮官・シャア・アズナブルに拾われ、ニュータイプ(一種の超能力者みたいなモノ)の能力を買われて戦士として教育されます。
ですが、戦場で主人公のアムロと出会い、互いに一目ぼれしてしまい、最後には愛するシャアをかばってアムロの攻撃を受け、宇宙の藻屑と消えていきます。
神秘的な容姿、長い黒髪、ヒラヒラした民族衣装、グリーンの瞳は妖しい輝きを放ち、口数はひどく少なく、たまに口をきくかと思えば出るのは謎めいた言葉ばかり。
「美しいものが嫌いな人がいて?」
「そういう言い方、嫌いです。大人っぽくて」
「あなたが来るのが遅すぎたのよ!」
そう、ララァという女はありていに言ってしまえば「不思議ちゃん」なのですが、絶妙なバランスの上に見事にファムファタールとして成り立ってます。
自分を拾ってくれたシャアに対しては絶対的な忠誠心を示し、そのくせ時にはサラリと可愛く憎まれ口を叩いてみたり、シャアを身も心も癒すというゆるやかな包容力も持っている。…