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残念な218万円の「18Kゴールド・アップルウォッチ」。アップルは“ラグジュアリー”を理解してない

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残念な218万円の「18Kゴールド・アップルウォッチ」。アップルは“ラグジュアリー”を理解してない

 残念な218万円の「18Kゴールド・アップルウォッチ」。アップルは“ラグジュアリー”を理解してない

 ついに発売されますね、アップルウォッチ。幸い、発表当日(日本時間10日)の昼に、実物に触ることができました。18時間というiPhone本体よりも短い駆動時間(18時間問題と呼ぶ同業者も居ます)を除けば、期待以上の見事な完成度で、20年来のアップルユーザー、3Gモデル以来のiPhoneユーザーとしては、これは買うしかない、と思った次第です。
 
 ただ、128万円がスタートプライスで、最高額は218万円(いずれも税抜き)の18Kケースモデルには、いろいろ考えさせられました。特に「ラグジュアリーウォッチとは何か?」について、です。
 
 9月の発表のとき「18Kゴールドケースのモデルを出す」と知ったときは「マジか?」と思いました。アップルウォッチは、今もっとも注目されるIDデザイナー、ジョナサン・アイブとマーク・ニューソン、2人がクリエートした工業製品(IDプロダクト)です。中身は一緒。そのケース素材だけを変えてゴールドにする。今、デザインでもテクノロジーでも最も高度なIDウォッチに、そんなバリエーションが必要なのか、と思ったのです。
 
 そして、それにいくらのプライスタグを付けるのか? 果たして、アップルウォッチの18Kゴールドモデル「Apple Watch Edition」の実物と価格は、僕の個人的な疑問と懸念を体現したものでした。
 
 素材から加工方法まで徹底的にこだわるアップル。ゴールドと言ってもただの18Kゴールドじゃありません。傷が付きやすいという素材の欠点を、セラミックを混ぜて通常の2倍の硬度にすることで解決。でもそれ以外は、十数グラムの重量アップ(ステンレスの場合は42mmサイズで50gなのに対して、イエローゴールド仕様が69g、ローズゴールド仕様が67g)と、付属のボックスが充電機能付きの凝った仕様であるという以外は、ステンレス素材のモデルと変わらないよう。
 
 ゴールドだけでも、違ったデザインで良かったのではないか。数十個などごくごくわずかの限定版でいいから、そんなモデルを出して欲しかった。そう思うのです。
 
 出井時代のソニーの「クオリア」もそうでしたが、私の知る限り、情報通信機器を作るメーカーが考える「ラグジュアリープロダクト」は、ハッキリ言って例外なく、残念な結果に終わっています。その理由は、技術の進歩が早く機能の陳腐化が早いという問題に加えて、プロダクトを作るスタッフが「ラグジュアリーとは何か」を理解していないから。…

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