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Amazonが、競争相手のアリババグループの消費者向けオンラインストア「Tmall(天猫)」に出店した。この出店により、Amazonはアリババに手数料を払うことになるが、それでも新たな顧客の獲得につながるとの判断がある。
これまで、Amazonは中国市場で苦戦してきた。中国進出から11年が経ったが、そのシェアはわずか1.4%。これに対して、アリババは中国国内で圧倒的なシェアを誇る。AppleやNikeなどの米国企業も、Tmallに出店して自社製品を中国消費者に直接販売している。「ダンダン・ドットコム(当当網)」などの中国電子商取引企業も、Tmallに出店している。アリババの強さの源泉とは何か。
ジャック・マー氏によって1999年に設立されたアリババグループは、まずBtoB(企業間取引)の通販サイト「アリババ・ドットコム」からスタート。2003年にCtoC(消費者間取引)の「タオバオマーケットプレイス(淘宝網)」に進出。すでに淘宝網は、この分野で世界一の取扱高を誇っている。そして08年に進出したのが、BtoC(企業と消費者の取引)のTmallだ。
アリババは急速な成長を続けており、14年3月期の売上高は8925億円(前期比1.5倍)、営業利益は4236億円(同2.3倍)だ。
しかも、Eコマースの枠を超えて、さらに業容を拡大しようとしている。04年には決済の「アリペイ(支付宝)」、13年には資産運用の「ユエバオ(余額宝)」にも領域を拡大した。13年末には、通販大手の米ショップランナーや中国ハイアール電器との合弁にも出資している。
さらに、Amazonの「キンドル」に対抗して、デジタルコンテンツも拡充しようとしている。携帯ブラウザ大手の中国UCウェブを昨年6月に完全子会社化し、同7月にはスマホゲームの米カバムにも資金を投じている。
昨年9月にアリババグループ・ホールディングは、250億ドルもの資金を調達した歴史的IPOによって米国で上場した。これは、同社が米市場に本格進出するサインだと見られている。すでに、Amazonやマイクロソフトのお膝元シアトル近郊で採用活動を活発化させている。アリババの攻勢にAmazonはどう対応するのだろうか。(編集担当:久保田雄城)