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KDDIは3月16日、セルフ健康チェックサービス「スマホdeドック」の提供をこの夏にも開始すると発表した。Webサイト上で申し込み、送られてきた検査キットを使って、自分で指先から血液を採取、密封し返送する。約1週間後に専用サイト上で14項目の検査結果がわかるというもの。個人向けサービスの税別価格は1回4980円。プラットフォームがKDDI、検査キットがリージャー、検査実施はアイルがそれぞれ担当する。
検査項目は、脂質、血糖、肝機能、腎機能、痛風、栄養状態などがわかる14項目。わずか0.065mlの血液で検査できるのが特徴。血液を採取後、特殊な血液希釈緩衝液で保存して郵送する。検査キットは摂氏37度の環境で1週間程度は安定した状態が維持できるという。そのため、北海道から沖縄まで日本全国からの郵送でも問題なくサービスが提供できる。
発表会で、検査キットを提供するリージャー・微量血液分析研究所の大澤進・所長は、「全身の臓器を循環している血液を調べることで多くのことがわかる。健康診断などで一般的に行われている静脈採血に比べても誤差は小さい上、検査の負担は非常に少ない。また検査のタイミングも選べる。例えば、食後1時間後に採決すれば、隠れ糖尿病も発見できる」とメリットを語る。
KDDIでは当面、自治体や健康保険組合を中心に展開していく計画で、手始めとして2015年度に全国の24万人を対象とする実証事業を行う。鎌倉市や綾瀬市、石狩市など20自治体と、ベルシステム24健康保険組合など2保険組合に無償で検査キットを提供する。具体的な提供方法は各自治体でまちまちだが、自治体が決めた利用対象者にリーフレットを送付し、それに基づいて申し込むと無料で利用できる仕組み。
KDDI・新規ビジネス推進本部の岩崎昭夫・担当部長は「これまでもリージャー社の検査キットは使われていたが、結果をWeb上で見えるようにしたのが新しい。KDDIとしては、これによって直接の大きな利益は見込んでいないが、検査結果を見た利用者が、例えばランニングを始めるなどの何らかの行動を起こす際のビジネスチャンスや、高齢者へのスマートフォン普及のきっかけとして機能することを期待している。もちろん対象者はauユーザーに限らない」と語る。また、現在は14項目の検査項目のみだが「将来的には検査項目も増やし、血液以外の検査にも広げていきたい。個人でも定期的に健康チェックができる新しい仕組みをつくり、誰もが長生きできる未来に貢献していきたい」と抱負を語った。