社会そのほか速
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2015年の囲碁番組のスタートは、2015年の「15」にちなんで、15路盤を使用した親子棋士によるペア碁対決が行われた。個性あふれる4組の親子が出場し、未経験の15路盤を舞台に大熱戦を繰り広げた。
■15路盤の面白さにびっくり!
正月恒例となったお好み対局は、親子チームによる15路盤でのペア碁対決。出場したのは、王立誠九段・景怡二段チーム、武宮正樹九段・陽光五段チーム、小松英樹九段・大樹初段チーム、小山栄美六段・空也初段チームの4組。一手20秒プラス30秒の考慮時間が5回という持ち時間で、トーナメント方式で優勝を目指した。また、対局とは別に「親子棋士、今だから言えるマル秘トーク!」というコーナーが設けられ、ふだんは聞けないお互いの素顔が大盛り上がりの中で語られた。
■大熱戦の連続
勝負の見どころは、親子がお互いにどれだけ棋力を把握しているのか、そして気持ちを読み取ることができるかだ。武宮九段が「15路盤は13路盤に比べて、だいぶ広い。でも、宇宙は狭くなりそうだね」と言うと、陽光五段は「小宇宙流でいきます」と返し、早速息の合ったところを見せる。
1回戦第1局は、その武宮親子チーム対小山親子チーム。解説を担当した小松九段が「3年後にはNHK 杯に出場しているでしょう」とその実力を高く評価する小山初段の打ちぶりに期待が集まった。
対局は、黒番の武宮親子チームによるタスキへの星から始まる。中盤までは黒がリードするが、「空也マジック!」と小松九段を驚かせる好手が出て、局面は形勢不明に。終盤に入り白が逆転したか、という空気が流れたが、いつの間にか白の大石に眼がなくなり、黒中押し勝ちに。15路盤は気が抜けないということがはっきり分かる一局だった。
2局目は、王親子チーム対小松親子チームの戦い。王九段が「恐らく短期決戦になりますね」と予想したとおり序盤から戦いが始まり、どこで何が起こっているのか分からない大乱戦に突入する。
小松九段が時間つなぎの手を連発して打開策を探るが、最後はふだんからすごく仲がいいという王親子チームの安定した打ち回しに屈した。
■武宮親子チームが優勝!
決勝は、白を持った武宮親子チームが序盤で黒の石を封鎖し、優勢を保つ。王親子チームも持ち前の結束力で粘るが、途中、手番の確認をするなど呼吸が合わない場面があったのか形勢が一気に傾き、82手で白番の武宮親子チームの中押し勝ちとなった。
「棋風、感性が似ているので、息がぴったり合った」と武宮九段が語るとおり、盤上での意思疎通がしっかりしていたのが勝因だろう。
「勝負どころがすぐにやってきて、気が抜けない。一局が早く終わるので、アマチュアの方にもぜひ試してほしいですね」と出場者が声をそろえるほど魅力に満ちた15路盤。新たな囲碁の楽しみ方が、また一つ増えたようだ。
■『NHK囲碁講座』2015年3月号より