社会そのほか速
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師弟以上の親密な関係だったのだろうか。
福井県勝山市で3月12日に起きた東邦大大学院生の菅原みわさん(25)殺害事件。福井大教職大学院特命准教授の前園泰徳容疑者(42)が、殺人容疑で逮捕された。前園容疑者は当初事故を装ったが、関与を認める供述を始め、素手か腕で首を絞めたとみられている。
前園容疑者の自宅周辺では、菅原さんの姿が頻繁に目撃されていた。
「容疑者の子供と遊び、奥さんと談笑するなど、家族ぐるみで仲が良かった。2人で朝晩問わず出かけ、彼女の頭をなでていたこともあったので、初めは兄妹かと思いました」(近隣住民)、「深夜、2人が車で親しそうに話していた。どうみても恋人同士って感じ」(容疑者の知人)
2人が知り合ったのは5年ほど前。東邦大の非常勤講師と学生だった。菅原さんの知人が当時を語る。
「彼女が大学3年の頃、前園先生の野外調査に参加して、赤とんぼが高地に移動することを国内で初めて実証した。以来、本格的に研究を始め、卒業時に優秀な学生に贈られる“功労賞”も受賞。先生を追うように勝山に拠点を移し、研究パートナーになりました」
前園容疑者は、東大大学院で博士号を取得。奄美大島で当時としては日本唯一の、行政が配置した環境教育の専門家として活躍後、東邦大非常勤講師に。2011年に勝山市に「環境保全推進コーディネーター」として迎えられ、家族4人で越してきた。13年に福井大特命准教授に就任する。
奄美時代から親交のある新聞記者が振り返る。
「写真の腕はプロ級で、フィールドワークをする快活な研究者。研究仲間だった奥さんもプリント作りなどをサポートしていました」
勝山では、家族4人でよく出かける仲睦まじい一家だった。エリート研究者の顔がある一方、実は気性の荒い一面もあったという。
「自然保護活動をする人に『私のように正規教育を受け、博士号を取得した人が声を上げないと意味がない』ということを言い、仲たがいした。自分に批判的な人には強烈な毒を吐いていた」(前出の記者)
若い研究者の命が絶たれた背景には、2人の蜜月や容疑者の性格が関係していたのか。真相解明は緒に就いたばかりだ。
※週刊朝日 2015年3月27日号