社会そのほか速
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三菱重工業のグループ会社が製造、販売している段ボール箱を製造する製函(せいかん)機「エボル」は、海外のニーズを取り込んで売り上げを伸ばしている。お客は世界の段ボールメーカーだ。三菱重工印刷紙工機械(広島県三原市)は2003年、1分間に350個分の段ボール箱を製造できるエボルの販売をスタート。当時は世界最速のスピードだった。
長方形の段ボールシートを送り込み、側面に印刷を行い、切れ目を入れて折りたたみ、のり付けして、段ボール箱が折りたたまれた状態で出てくる。段ボールの表面はでこぼこだが、鮮やかな写真などの印刷も可能だという。
米国では03年、同国で五指に入る段ボールメーカーが1台購入した。米国の段ボールは日本製より頑丈で重いため、製函機内のベルト式コンベヤーなどを強化。しかし納品後にトラブルが続出。日本では、1日8時間は機械を止めてメンテナンスをこまめに行うが、米国では24時間連続で稼働させ続けるのが当たり前だった。営業担当者が1週間に8時間は停止して、メンテナンスを行うことや、劣化した部品の早めの交換を徹底してもらうなどしてトラブルはなくなったという。1年後、5台の追加発注があった。
本社営業統括部長の北原靖司さんは米国に04年から11年まで滞在し、現地のメーカーに対応した。「エボル(EVOL)」の名前は「革新」を意味する「エボリューション」が由来だが、北原さんは「逆から読むとラブ(LOVE)。愛して大切に使ってくださいね、という思いもこめた」と語る。価格は2億5000万〜3億5000万円。現在まで266台を受注し、約半分が日本国内向けで、米国向けは104台。三原市の本社工場で生産し、各地へ出荷している。【古田信二】
◇生産量は景気動向を反映
家電から書籍、生鮮食品から冷凍食品まで、段ボールはさまざまな包装に利用されている。全国段ボール工業組合連合会によると、2014年に日本で生産された段ボールは、約136億平方メートルで、関東の1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の面積に匹敵する。景気の回復に伴い、生産量は増加傾向にあり、過去最高を記録したリーマン・ショック前の07年(139億平方メートル)に近づいている。