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<産経前支局長帰国>韓国、国際社会に配慮

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<産経前支局長帰国>韓国、国際社会に配慮

 <産経前支局長帰国>韓国、国際社会に配慮

 【ソウル大貫智子、高橋恵子】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損(きそん)したとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(48)が14日、帰国した。韓国政府が8カ月以上に及んだ出国禁止措置を解除した背景には、国際社会で韓国における言論の自由への懸念が高まったことや、この問題が日韓関係をさらに悪化させる外交問題として韓国政府内でも政治的負担になっていたことがあるとみられる。ただ、公判が継続することに日本政府は「マイナスがゼロになっただけで、プラスになったのではない」(外務省幹部)との厳しい見方をしており、6月の日韓国交正常化50周年を前に韓国政府への強い不満は解消されないままだ。
 
  ◇日本は公判継続に不満
 
  韓国外務省報道官は14日の定例記者会見で「韓日関係とは無関係な事案で、外交問題化しようとすることは望ましくない」と強調し、あくまで法的な手続きにのっとったものだとの立場を改めて強調した。
 
  これまでも韓国側は、外交問題とは別との立場を繰り返し主張してきたが、欧米メディアは「報道の自由」の観点からこの問題を批判的に報道。米国は日韓関係の早期改善を促してきたが、加藤前支局長が起訴された昨年10月には米国務省報道官が懸念を表明するなど、韓国政府として外交的に負担となっていた。
 
  韓国国内でも「コラムは朴大統領の男女関係を扱っており内容には賛同しないが、民主主義国家として起訴するのは行き過ぎ」との見方は保守、進歩両派から出ていた。
 
  日韓国交正常化50周年の今年、韓国側は激しい対日批判を控えている。日韓関係改善を望む米国への配慮や、朴政権の外交政策は「成果がない」との評価が高まっていることが背景にある。日韓関係に詳しい与党・セヌリ党の国会議員は「今年は無難に乗り切り、来春ある(韓国の)総選挙後に日韓関係改善を図りたい」と話す。
 
  14日に約5年ぶりに日韓安保対話を行ったのに続き、16日からは日米韓次官級協議も控えており、韓国政府としては当面、実務レベルでの対話を重ねていく方針だ。
 
  一方、日本政府は出国禁止措置の解除について「当然のことだ」(菅義偉官房長官)とひとまず安堵(あんど)している。ただ、韓国側が公判を継続することへの不信感は依然としてくすぶり、外務省幹部は「明らかに言論の自由、報道の自由に対する弾圧だ。マイナスがゼロになっただけで、プラスになったのではない」と批判した。…

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