社会そのほか速
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21日の第87回センバツの開会式で選手宣誓した敦賀気比(福井)の篠原涼主将(3年)は中学時代の3年間、夢を応援してくれる母の清美さん(46)=静岡県富士宮市=らとともに春の甲子園に通い続けた。「多くの皆さんに支えられ、大好きな野球ができることに感謝します」。母一人で育ててきた息子の宣誓に清美さんは、「私に言ってくれたのかな」と喜んだ。
家族は大学生の長男翔さん(19)と次男の篠原選手との3人。小学1年で野球を始めた篠原選手に清美さんは「不自由な思いはさせまい」と、会社に勤めながら平日の夜や土日の練習の送り迎えをしてきた。「絶対、甲子園に出る」。熱く語る息子を見るのが楽しみだった。
篠原選手が中学2年になる年の春、家族3人でのセンバツ観戦をプレゼントした。仕事を終えて夜行バスに乗り、翌朝から丸一日観戦だ。睡魔に襲われていると、篠原選手に「お母さん、寝たらもったいないよ」と起こされた。じっと黙ってプレーを見つめていた息子の姿が目に浮かぶ。「センバツ旅行」は3回続いた。
「俺、敦賀気比に行きたい」。進路を決める時にそう決意を打ち明けられ、「寂しいけれど、好きなところでやらせてあげたい」と送り出した。部費や寮費は懸命に働いて工面している。その息子が4強入りした昨夏の甲子園で活躍し、新チームの主将に選ばれるまでに成長した。
迎えたこの日。顧問やチームメートと考えたという短歌を交え、大観衆の前で大役を果たした息子は「仕事が忙しいのに頑張ってくれたお母さんや、支えてくれたいろんな人たちへの感謝を込めた」と語り、スタンドから拍手を送った母は「一生の思い出です。これからも人に感謝する気持ちを持ち続けてほしい」と言葉を贈った。【竹内望】
◇宣誓全文
高校野球の全国大会が始まって100年。戦争による中断や震災など、いくつもの困難を乗り越えて今、多くの皆さんに支えられ、大好きな野球ができることに感謝します。
「グランドに チームメイトの 笑顔あり 夢を追いかけ 命輝く」
生まれ育ったふるさとで、移り住んだところで、それぞれの思いを抱(いだ)きながら見てくださっている全国の皆さんに、生きていることを実感してもらえるよう、この甲子園で自分らしく精いっぱいプレーすることを誓います。