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チュニジアの首都チュニスで18日、武装グループが国会議事堂近くにあるバルドー博物館を襲撃した。チュニジアのシド首相は、この事件で外国人観光客17人を含む19人が死亡したと発表した。武装グループは人質をとって一時立てこもったが、治安部隊の作戦で実行犯は殺害され、人質は解放されたという。
武装グループの素性は不明だが、イスラム過激派の可能性がある。米CNNは事件発生時に約200人が館内にいたと報じた。現地からの報道では、約40人が人質にされたと伝えられていた。
死亡した外国人の国籍は不明だが、ドイツ人、ポーランド人、スペイン人が含まれているとの情報がある。日本人は含まれていない模様だ。武装グループは2、3人と見られ、戦闘服を着て機関銃を持って博物館に押し入ったという。
バルドー博物館は市内中心部から西約5キロにあり、国会議事堂と隣接している。チュニジア各地の古代ローマ期の遺跡から収集されたモザイク装飾が展示され、外国人にも人気の観光施設だ。
チュニジアは、2011年に中東に広がった民主化運動「アラブの春」が最初に起きた国だ。同年にベンアリ独裁政権が倒れた。その後に民主化運動が起きたエジプトやリビアなどで混乱や内戦が続く中、チュニジアでは比較的順調に民主化が進んだ。昨年あった議会選では世俗派が躍進、大統領選でも世俗派政党の党首カイドセブシ氏が勝利した。今年発足した内閣にはイスラム政党からも加わった。欧米諸国からはアラブ諸国の民主化の模範と期待されている。
その半面、独裁政権の崩壊後に国内のイスラム過激派が活動を活発化。若者を対象に過激思想を広めた。隣国リビアなどを経由してシリアやイラクに約3千人の戦闘員が送り込まれたと言われている。(カイロ=翁長忠雄)