社会そのほか速
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筆者は日本でしばらくの間仕事をしたという。ある時、日本人に割り込みをされた。ところがそれには理由があったと分かった。中国網、中華網、中国語版などが2月末から3月4日ごろにかけて、「日本に行って働いた。日本人に対する印象が徹底的に変わった」などの題で次々に発表した文章の一部を紹介する。
日本では家の近くの理髪店にしばしば行った。ある時のことだ。理髪店に着くと、もう3、4人が待っていた。やっと私の番になった。ところが、私の後ろの人が立ち上がり、すたすた進んでいくではないか。
日本でも割り込みをする人がいるのか? これには驚いた。思わず咎めた。「どうして順番を守らないのですか?」――。
理髪師が笑いながら私に声をかけた。「どうもすみません。最初に話しておけばよかったですね。こちらはあなたより先に来られたのですが、トイレに行っていたんですよ」という。
だれが信じる? 中国人ならすぐ分かる。なじみの客なんだ。「そうでしょう」と理髪師に言ってやった。理髪師はがっかりしたような顔をした。「皆さんがお客さんなんですから。あなたをだます必要なんかないでしょう」と言い出した。
認めないだと? ならば中国人の得意技、口論だ。その時、すでに座っていた「あの客」が立ち上がった。「すみません。腹が下ってしまって、どうしようもありません」と言い、また立ち去った。
そこで、私が理髪してもらうことになった。私の髪を切りながら理髪師は「人と人ですからね。やっぱり信じなきゃ。互いに騙し合っていたら、暮らしが窮屈でしかたないでしょ」などと言った。
しばらくして、また同じ理髪店に行った。今度は私に事情があった。遅番で出勤する直前だったのだ。時間がない。年末なので、その日を逃すと年内に散髪するのは無理だった。
順番を待ったが落ち着かない。腕時計をしきりにのぞきこんだ。理髪師が私の様子に気づいた。「お客さん、お急ぎですか?」と声をかけてきた。「はい、このあと仕事があるのです」と説明した。
理髪師は私が予想もしなかった行動に出た。私の前にいた客のひとりひとりに声をかけて、私を先にしてもよいか、尋ねた。皆がOKしてくれた。私は皆さんにお礼を言ってから、理髪用のいすに腰掛けた。
前回の理髪師の言い分が理解できた。本当に急いで困っている時だけ、そう言う。だれも嘘は言わない。だから他人を信じることができる。そういうことだったのだ。…