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[ワシントン 17日 ロイター] – イランの核開発問題をめぐる協議が合意に達し、同国への経済制裁が解除される可能性が出てきた。しかしそうなったからといって、すぐさま同国産の原油が市場にあふれ出てくる事態は起こりそうにない。
複数の市場専門家や西側外交筋、元米政府高官らの話を総合すると、イランと欧米など6カ国の協議は現在、6月末までの正式調印を目指して細部を詰めているが、制裁解除はいくつもの段階を踏む形にとどまるのはほぼ確実な状況。イラン産原油の一部輸出については少なくとも2016年にずれ込むだろうという。
スイスで行われている今月の協議が進展したことから、原油価格は過去1週間で10%強も下落した。一部の市場関係者が、最大で日量100万バレルのイラン産原油が市場に流れ込み、世界の供給余剰量が現在の見積もりの2倍に膨らむ事態に備えたためだった。
多くの関係者は、イランが生産量をどれだけ迅速に制裁前の水準に戻せるかに注目している。生産量復元後の出荷態勢はすぐに整うと想定しており、顧客基盤縮小や油田が放置されていた可能性などはそれほど懸念していない。
ただ相場弱気派が過小評価しているかもしれないのは、イランが世界のエネルギー市場への復帰に向けてどれだけの外交的ハードルを超えなければならないかという点だ。
ペルシャ湾岸に駐在するある西側外交筋は、いきなり原油輸出が全開になると期待してはいけない、とくぎを刺した。その上で、イランの石油取引に絡む非常に多くの側面が制裁対象となっているので、まずは金融制裁を解除する方がずっと容易だとの見方を示した。
確かに核問題協議がまとまれば、イラン産原油の一部は素早く市場に戻ってくる可能性はある。ロイターが業界データを分析したところでは、イランは洋上にある貯蔵施設に最大で1200万バレルを保有し、インドや韓国への輸出目的で中国の貯蔵施設も借りている。
一部エネルギー専門家の試算では、イランは制裁解除から半年以内に輸出量を日量50万─80万バレル引き上げられる。もっとも輸出量は徐々に拡大していくことになりそうだ。 続く…
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