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3月14日の北陸新幹線金沢開業を前に、JR西日本は5日、金沢―長野間で新型車両「W7系」の報道関係者向け試乗会を行い、約250人が乗車した。同区間を鉄道関係者以外が乗車するのは初めて。
北陸新幹線は、金沢―東京を現行より約1時間20分短い最短2時間28分で結ぶ。長野までも約2時間10分短縮の最短1時間5分となり、北信越と首都圏の交流拡大が期待されている。
試乗会では午前9時56分に金沢駅を出発すると、7分後、新倶利伽羅トンネルを抜けた付近で最高時速260キロに到達。営業運転中は2~3キロほど最高速度が抑えられるというが、揺れや騒音はほとんどなく、走行性能の高さがうかがえた。車窓には、青空に映える立山連峰や日本海が広がった。トンネルが連続する急勾配の山間部もスムーズに走り抜け、定刻の午前11時30分に長野に到着した。
7、8の両日は倍率77倍の抽選に当選した2800人を対象にした一般試乗会が行われる。
北陸新幹線金沢開業を前に、JR西日本が5日に開いた報道関係者向け試乗会。車窓からの風景や乗り心地を一足早く確かめようと、記者も新型車両「W7系」に乗り込んだ。
北陸には珍しく、爽やかな青空が広がった5日朝。午前9時半前に、陽光が差し込む金沢駅の新幹線ホームにW7系が入線した。
午前9時56分に金沢駅を出発。ぐんぐん加速すると、7分後には最高時速260キロに達し、その6分後には新高岡駅のホームに滑り込んだ。
富山県に入ると、右手に真っ白に輝く立山連峰がそびえ、逆方向は能登半島まで見渡すことができた。新潟県に入る頃から真っ青な日本海が広がり、「駅弁を食べるには最高の景色だな」と感じた。
山間部や険しい海岸線を走る北陸新幹線は、金沢―長野間228キロのうち44%にあたる103キロがトンネル区間。35か所ある中でも、長野、新潟県境の「飯山トンネル」は鉄道の陸上トンネルでは国内で3番目に長く、抜けるまで約6分かかった。急勾配にもかかわらず体に圧力がかかる感覚はなく、列車はスムーズに進んだ。
ただ、トンネル通過中に携帯電話が何度か圏外になり、通信環境を改善する余地はありそうだ。JR西の担当者は「今後、順次整備する方針」と話している。
午前11時半に長野駅に到着すると、ホームでは長野県の観光をPRするゆるキャラたちが出迎えてくれた。長野の人たちは、観光PRに熱心だ。報道関係者に観光パンフレットを配布していた信州・長野県観光協会の鹿田明子さん(32)は、「雄大な自然を見に長野に来てもらいたいし、私も新鮮な海の幸を食べに北陸に行きたい」と笑顔を見せた。
約2時間も短縮された金沢から長野への旅路。あまりの短さに驚き、交通の大動脈の力を思い知った。開業まであとわずか。東京、長野、軽井沢……。旅の選択肢が広がるのが楽しみだ。
(三歩一真希)