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京福電鉄・嵐山駅構内(右京区)の「さくらの庭」に、日本三大桜の一つ、福島県三春町の「三春滝桜」が植えられている。11日で4年を迎える東日本大震災を忘れないようにと、同県で結成された男性4人組の人気グループ「GReeeeN」のリーダーで、京都市出身のHIDEさん(34)が寄贈した桜だ。今年、植樹から2度目の春を迎える。関係者らは同駅での初開花に期待を膨らませている。(仁木翔大)
三春滝桜は、樹齢1000年を超える紅枝垂れ桜で、国の天然記念物に指定されている。
GReeeeNのメンバーは4人全員が歯科医。震災後、歯科医として身元不明遺体の検視にも加わったというHIDEさんが2010年に株分けされた苗木を購入し、同市内の実家で育てられていたという。
同電鉄と、その社員らでつくる有志グループは11年6月、被災地の風評被害を防ごうと、岩手、宮城、福島各県産の商品を販売する復興支援の催しを同駅で開催。そこで、この苗木の存在を知り、「被災地の復興にも関心を持ってもらおう」と植樹を計画した。
HIDEさんに打診したところ、「鉢植えから出して大地に根づかせたい。京都の人たちが桜を見て、被災地を忘れないでもらえたら」と快諾してくれたという。
植樹は、同駅の改装に合わせ、13年6月に実現。当初は約5センチだった幹回りが、現在では約15センチにまで成長し、高さも50センチ以上伸びて2メートルを超えている。有志グループの代表、長井喜美さんは「去年よりは、開花する可能性が高いと思う」と楽しみにしている。
同電鉄は昨年の3月11日に、被災地の写真や復興を願うメッセージを車両内に掲示した特別電車を運行。今年は、11日にHIDEさんのメッセージを特別電車に掲げる予定という。長井さんは「京都でも、震災を風化させない活動をしていきたい。三春滝桜が、そのシンボルになれば」と願う。
桜は、HIDEさんによって「キミマツサクラ」と名付けられた。桜の前に設置された銘板には、HIDEさんの思いが、こう刻まれている。
「東北の復興を祈り、京都に訪れた人の幸福を願い、雨の日も、風の日も、年に一度だけ花を咲かせて待ってます」