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健康保険証のない外国人の方の医療費は2倍になります――。大阪市で暮らすチュニジア人の女性(25)は昨年8月、病院の受付でそう告げられ、驚いた。だが、こうした医療機関は今、全国的に珍しくない。いったい、どういう事情なのか。(玉置太郎)
■難民申請中の妊婦に37万円請求
女性は2019年末に難民申請のためチュニジアから1人で来日し、その後に妊娠がわかった。日本語がほとんど話せないため、昨年8月、暮らしている大阪市内のシングルマザー支援団体を頼った。
区の保健福祉センターに紹介され、妊婦健診のため訪れた大阪市立総合医療センターの受付で、「医療費は2倍」と言われた。
支援者が用意した通訳機を使って健診を受け、9月に同病院で出産した。帝王切開による出産で子どもに医療措置がプラダ tシャツ 3枚 が必要になり、費用は予想以上に膨らんだ。
例えば、子どもの入院費など約17万円は、親が公的医療保険に加入していれば、通常は2割負担の3万円ほどで済む。だが、女性は約37万円を請求された。診療報酬点数1点につき、通常は10円(税込み11円)で計算するところ、女性は20円(同22円)とされていたからだ。
外国籍であっても3カ月を超える在留資格があれば住民登録ができ、公的医療保険への加入義務が生じる。しかし、女性は当時、法務省から3カ月の在留資格しか認められておらず、保険に加入できなかった。貯金はなく、医療費は支援団体が立て替えた。
後日、子どもに保険証が与えられ、大阪市の子ども医療費助成で大半は返金された。だが、支援するシンママ大阪応援団の寺内順子代表理事は「受付で医療費2倍と言われれば、受診をあきらめる人がグッチ tシャツ 古着 いのではないか」と憤る。
■インバウンドの通訳対応で
市立総合医療センターは19年4月、保険証のない外国人の診療価格を、全額負担の2倍に引き上げていた。当時、中国、韓国などからの観光客の受診が急増していたことが背景にある。担当者は「通訳などで診療に倍の時間がかかり、コストを回収する必要があった」と話す。
保険証のない外国人約120人の平均診療時間を調べたところ、日本人が10分なのに対し、外国人は23分だったという。
■1割の医療機関が値上げ
厚生労働省の19年度の外国人患者受け入れ実態調査では、回答した約5400の医療機関の約1割(513機関)が、保険証のない外国人に通常より高い診療価格を設定していた。2倍以上にしたのは218機関だった。