社会そのほか速
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3月3日、マーケティングアプリケーションズ(2月1日にボーダーズより社名変更、参照リンク)は「マーケティングイノベーションセミナー」と題したセミナーを行った。
冒頭に登壇した一橋大学商学部神岡太郎教授の講演は「日本企業が取り組むべき経営課題~CMOからCMTOへ~」。日本企業が今日、マーケティングにおいて取り組むべき課題について話した。
●ITとデジタルが分離してきている
「デジタルテクノロジーが生活や社会のあらゆるところに入ってきて、あふれてきている。これをどう企業の競争力に結びつけるかが重要になっている」
今後IoT(Internet of Things、モノのインターネット)の導入がこの傾向に拍車をかけるだろうと説明。さらに「いま、企業においては、ITからデジタルが分離してきている。本来の意味とは別に、現実には意識的に2つの言葉を使い分けされるケースが増えてきている。(従来型)ITとは(従来、企業でSEなどが担ってきた)主に、コスト削減やセキュリティなどの内向きな施策のこと。一方、デジタルとは、価値を創造したりビジネスを成長させるために、外向き、つまり顧客や社会との関係を志向した施策のことを指す。今はこのデジタルの領域がどんどん大きくなってきている」と続けた。
企業で伸びる「デジタル」の一例がデジタルマーケティングだ。米国では企業予算の10%くらいがマーケティングに、さらにその4分の1はデジタルマーケティングに使われており、どんどん金額は増えている。
●企業組織は縦割りのままデジタル化している
現在の企業におけるデジタル化の問題点として、神岡氏は「組織間で分断されたままデジタル化してしまった」という点を指摘する。例えば、部門ごとにそれぞれデータを取っていて、部門を横断して利用されていない、また、顧客とのチャネル(メール、SNSなど)がバラバラで統合されていない……といった例だ。
また現在は、伝統的なマーケティングとデジタルマーケティングが分離してしまっている、とする。しかし目指すべきは、両者がもっと融合している姿だ。デジタルはこれからマーケティングと分離できないものになっていく。マーケティングとデジタルテクノロジーは不可分になっていくし、伝統的なマーケティングとデジタルマーケティングを一元化して動かしていけるよう、今後は企業規模で構造転換を進めなければいけない。
●リーダーシップは変遷していく?
どんどんデジタル化が進むユーザーに対して、企業はどう構造変換していくべきか? その一例として示したのがリーダーシップの変遷である。…