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化学大手の昭和電工<4004>は11日、山口大学と発光ダイオード(LED)を用いた植物工場の海外展開において連携協定を締結したとの発表を行った。これにより、昭和電工独自の技術である発光ダイオードを用いた栽培技術を、山口大学は人材育成などで連携している約100の海外機関に伝える。また昭和電工は海外展開を行うことで植物工場事業の売上高を今の約5倍である約50億円にまで引き上げたいとしている。
今回締結された連携協定は、昭和電工と山口大学農学部の執行正義教授が共同で開発した高速栽培技術「SHIGYO法」および関連する研究成果を、山口大学の有する海外ネットワークを活用しながら世界の研究機関に移転し、さらに昭和電工が有する植物工場システム全般の設計・運営ノウハウを展開し、世界規模で植物工場の普及と発展に寄与することを目標としている。
昭和電工と山口大学が共同で開発した高速栽培技術「SHIGYO法」とは、レタスなどの野菜の育成過程で昭和電工の高輝度発光ダイオードの光を独自の手法であてることにより、出荷までの期間を従来と比較して1割以上短縮することできるというもの。昭和電工は工場に必要な発光ダイオード照明やアルミ製の栽培棚、抗菌の断熱パネルなどを包括的に販売し、すでに国内で約20工場を展開しているものの、海外展開を行うためには、効果を得るための最適な光のあて方が品種や育成環境によって異なることから、「SHIGYO法」を導入した後の技術支援が必要になるという課題を抱えていた。
しかし今回の山口大学との連携協定締結により、山口大学の有する海外ネットワークを活用しながら世界の研究機関に技術移転し人材育成を行えば、これまでネックとされていた部分が解決され、将来的には海外での植物工場の展開が可能となる。
また昭和電工と山口大学は、「SHIGYO法」に関する特許権の取得も目指しており、「SHIGYO法」の導入を目指す海外機関については、これらの特許権のライセンス供与を推進していくとしている。(編集担当:滝川幸平)