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日立製作所が英国の都市間高速鉄道計画(IEP)向けに製造した新型鉄道車両が12日、英南部サウサンプトン港に初めて到着した。英政府関係者らが出席して記念式典も開催。英国向け高速鉄道の“戦略車両”が到着したことで、日立は今後、鉄道発祥の地、英国でさらに存在感を増すことになる。
到着したのは、日立の笠戸事業所(山口県下松市)で製造されたIEP車両1編成(5両)。最新の省エネ技術を採用したほか、エンジン・発電機も搭載し、電化・非電化区間をスムーズに走行できるハイブリッド型の高速車両だ。4月から乗務員の訓練を兼ねた走行試験を実施する。
日立は、受注した全122編成のうち、12編成(76両)を日本で製造するが、残りの110編成(790両)は、今夏完成する英北部ニュートンエイクリフの車両工場で製造。2017年から順次、営業運転を開始する予定だという。
IEPでの日立の受注総額は57億ポンド(約1兆円)。長期に及ぶメンテナンス事業も含む大型案件だ。
さらに日立は12日、英北部スコットランドのエディンバラ-グラスゴー路線など近郊列車の車両234両(70編成)の製造と長期保守契約を締結したと発表。17年から営業運行を開始する計画という。
日立欧州の関係者は「英国進出は、世界市場に向けた大きな出発点。世界の鉄道市場は安定的に成長しており、まずは、英国の工場を立ち上げ、車両製造を現地化することで、欧州大陸に鉄道事業を拡大させてゆきたいと考えている」と話す。世界各地で“日の丸”鉄道が疾走する日は着実に近づいている。(サウサンプトン 内藤泰朗)