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◇物流と家計に逆風
経済産業省が4日発表した2日時点のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は、1リットル当たり139円30銭と3週連続で値上がりした。2月以降の原油価格の下げ止まりを受け、石油元売り各社がガソリンスタンドへの販売価格を引き上げているためだ。今後原油価格の反転上昇が鮮明になれば、ガソリン価格は春にも145円前後に値上がりするとの見方があり、物流業者や家計に逆風になりそうだ。
東京都世田谷区のガソリンスタンド「シンエネ八幡山SS」。トラックの給油に訪れた同区の農作物販売業の男性(73)は「やっと安くなってきたガソリンが、また値上がりするのは困るね」と顔をしかめた。商品の仕入れで福岡県まで運転することもあり、ガソリンの値上がりは仕事を直撃する。
同店の4日のガソリン価格は1リットル=131円で、先月の最安値からは約1割の上昇。佐藤大マネジャー(43)は「値段が安い方が客足は伸び、給油量も増える」と話し、ガソリン価格が底を打ったのではと心配する。
最近のガソリン価格は、昨年7月14日につけた1リットル=169円90銭が高値のピークだった。しかし、その後は29週連続で下落し、先月9日には133円50銭まで下がった後、今度は上昇し始め、3週間で約6円上がった。
今後の価格動向を見極めるカギは、昨夏からほぼ半値にまで急落した原油価格が下げ止まり、再び上昇に向かうかどうかだ。昨年以来の価格急落は、欧州や中国の景気減速懸念や米国のシェールオイルの増産で需給が世界レベルで緩んだことに加え、石油輸出国機構(OPEC)が需給調整のための減産を見送ったことが背景にある。
しかし、米石油サービス大手ベーカー・ヒューズによると、2月27日時点の米国の原油掘削装置の稼働数は昨年10月のピークから4割減少。価格急落で投資回収が見込めなくなった業者の開発にブレーキが掛かり、増産に歯止めが掛かっている。一時、1バレル=30ドル台に下落する可能性も指摘されていた米国産標準油種(WTI)の価格は、最近は50ドル前後で推移し、「底打ちの兆し」が出ている。
石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之・上席エコノミストは、4〜6月ごろに米国シェールオイルの生産量の鈍化が始まるとの見方を示したうえで、「WTIは55〜60ドルまで上昇し、ガソリン価格も145円前後まで上がる」と指摘。
一方、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員は「足元では原油の供給過剰が続いている」として、ガソリン価格も下げ止まったとは言い切れないとの見方を示した。…