社会そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
金融業界に大きな影響力を与えるいくつかのポストを女性が占めるようになった。米連邦準備理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事などだ。メアリー・ジョー・ホワイト氏は、かつてメアリー・シャピロ氏やエリス・ウォルター氏が就いていた米証券取引委員会(SEC)の委員長を務めている。米消費者金融保護局(CFPB)の局長は男性だ。だが、実は候補に浮上したエリザベス・ウォーレン氏の有能さを消費者金融の業界が警戒したためだ。
IMFのラガルド専務理事。ギリシャ問題を話し合うためユーロ圏の財務相会合に参加した(2月20日、ブリュッセル)=ロイター
ここであげたポストはいずれも公職だ。それぞれの年俸は米ウォール街のトレーダーが期待するボーナスに比べてもたいした額ではない(年俸の最高額はラガルドIMF専務理事の約50万ドル)。民間の金融機関に目を転じると、幹部を務めるのはもっぱら男性だ。
女性の経営幹部もいないことはないが、大半の役割は社外へのイメージアップだ。管理職としての責務を果たさない女性もいる。その仕事ぶりは評価されないこともある。ロナ・フェアヘッド氏はHSBCの監査・リスク委員会の委員長として力不足だと世間ではみなされている。バークレイズのアリソン・カーンワス氏は同社の報酬委員会の委員長を務めていた際、ボブ・ダイヤモンド前最高経営責任者(CEO)に支払う報酬を抑えられなかったことで非難されている(その後、カーンワス氏が取締役の資産運用会社マン・グループで株主の3分の1が同氏の再任に反対するという精いっぱいの抵抗を試みた)。
■能力でなく割り当て満たす場合も
イエレン氏やラガルド氏がそれぞれの難しい地位を実力で維持していることに異論を唱える人はいない。しかし、なかには能力を買われたのでなく、女性登用の政治上の要求にこたえるために地位を与えられているケースもあるようだ。ノルウェーでは取締役会における女性の比率を定めた「割り当て」を満たすため、役員会から役員会へと渡り歩く女性を説明するのに「金のスカート」という言葉が使われる。
銀行のトップに上り詰めたその女性を取り巻く環境はほかの人と異なっていた。その女性とはスペインのサンタンデール銀行のアナ・ボティン会長だ。ボティン氏は金融業界で大きな成果を残してきたが、前任者が同氏の父親だったことは成功と無関係でない。アイスランド銀行のCEOであるビルナ・アイナースドッティール氏の場合は、ボティン氏と事情が異なる。アイナースドッティール氏は2008年にアイスランドで複数の銀行が破綻した際、金融システムを修復するために送り込まれた女性たちの1人だ。