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肝臓を培養した装置を説明する理研チームの石川潤氏=4月3日、神戸市中央区の理研多細胞システム形成研究センター
移植用の臓器不足を改善するため、摘出した臓器を体外で24時間保存できる培養装置を開発したと、理化学研究所の辻孝チームリーダーらが22日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。ラットの肝臓を装置で保存し、移植する実験に成功したという。
辻リーダーが客員教授を務める東京理科大と慶応大、ベンチャー企業オーガンテクノロジーズ(東京都港区)の共同研究。ラットの心臓停止後90分経過し、通常は移植できないほどダメージを負った肝臓でも、この装置で機能を回復させ移植できた。
辻リーダーは「摘出した臓器を体外保存する時間を延ばしたり、心停止で機能不全となった臓器を蘇生させたりできれば、移植に使える臓器の数が大幅に増え、遠くまで運べる」と説明。「ブタでの試験を経て臨床応用を目指す。腎臓でも試したい」と話している。