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地区防災計画に基づき、避難訓練について検討する安渡地区の住民ら=2月8日、岩手県大槌町
東日本大震災を機に、災害発生時の行動や避難所運営などで身近な住民同士が助け合う「共助」の考え方に基づく「地区防災計画」作りの動きが広がっている。自治体の防災計画よりも、きめ細かくコミュニティーの特性に応じた最適な対処法を、住民主体で立案し実践する。
内閣府によると、世界でも先進的な取り組みといい、14日から仙台市で開かれる国連防災世界会議のパブリックフォーラムで、モデル地区の住民らが内容を紹介する。
地区防災計画は、地区の立地や特性、起こり得る災害などに合わせ、住民らの意向を反映させて策定。物資や資材の備蓄、避難ルートや近隣での助け合いのルールのほか、避難所運営の組織体制などを定める。計画単位は自治会や集落、商店街など自由に決められる。
2014年4月の制度施行を受け、内閣府が11月に選定した15のモデル地区は、岩手県大槌町安渡、福島県桑折町半田地区のほか、新潟県燕市笈ケ島、長野県下諏訪町第1、2区、静岡県富士市の富士駅南地区など。神奈川県横須賀市にある大規模マンションの自主防災組織も選ばれた。
共助は1995年の阪神大震災で注目され、東日本大震災でもその意義が広く認められた。自治体が被災し、避難所運営などを住民だけで行ったケースなどがあったためだ。内閣府は、公的機関などの「公助」に自助と共助を組み合わせることで、大規模災害への有効な対処が期待できるとみている。
一方、課題もある。計画をまとめ継続的に実行していくためには、地域への目配りができる指導力を持った人材が不可欠。住民の入れ替わりが激しい地域や、大都市圏など近隣との関わりが薄い地域で普及させられるかも未知数だ。
安渡地区の防災計画作りに関わった早稲田大文学学術院の浦野正樹教授は、公助の重要性を指摘した上で、「防災意識は一人では高まらない。いざというときに何をすべきか地域の人と具体的に考えることで、自助に必要な行動も判断できる」と話している。