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クロマグロの漁獲量が全国有数の和歌山・勝浦漁港(那智勝浦町)で今年3月、最重量記録を約30年ぶりに更新する386キロの大物が揚がり、今月には初の400キロ超も水揚げされた。
このクラスに成長するには20年は必要とされる。専門家は、沖縄近海を中心に21年前、4000万匹もの大量の稚魚が生まれた珍しい現象が大型化の背景にあるとみており、「団塊マグロ」と呼んで注目している。
勝浦漁協(1949年発足)によると、昨年までの同漁港でのクロマグロの記録は約30年前の379キロ。しかし、今年3月23日に新記録の386キロ、約2週間後の今月9日には、さらに重い411キロが揚がった。411キロは刺し身にすると約3000人分という。
同漁港近くでマグロ料理専門の食堂を経営する清水英子さん(66)は「大型は脂がしっかり乗っていて、とてもおいしい。特に(6月頃の)産卵期前は、脂のうまみが溶け出すように口に広がります」と話す。
勝浦漁港の水揚げの最盛期は2~5月で、大物の300キロ超は今年、今月16日までに10匹揚がり、昨年も同時期に同数が水揚げされ、近年は「重量化」の傾向がみられるという。
一般社団法人・漁業情報サービスセンターによると、国内の主要32港のうち、勝浦漁港の水揚げ量は昨年、全国6位。トップの鳥取・境港は6~7月がシーズンだが、2013年に過去最大級の約440キロを記録するなど11年以降、400キロ超えが続いている。