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◇国内外25人の歌手による追悼コンサートも
「楽しく思い出を語り合い、旅立ちを祝ってほしい」−−。そんな言葉を残し、昨年7月に92歳で亡くなった加藤ハツさんを「しのぶ会」が9日、名古屋市西区のウェスティンナゴヤキャッスルで開かれる。「日本のシャンソンの母」として知られ、日仏シャンソン協会日本支局理事長も務めた加藤さん。しのぶ会では、国内外25人の歌手による追悼コンサートも行われる。
岐阜県可児市出身。名古屋市で小学校教員を務め、夫と離別後は女手一つで子育てした。定年間近の頃、長男で1994年にフランス芸術文化勲章を受けたピアニスト、修滋さん(65)から「ライブハウスをつくりたい」と相談を受けて80年、同市千種区吹上に「mss(ミュージック・サロン・オン・サタデー)会館」を建設した。退職金をつぎこんだという。
加藤さんは「ともそう、名古屋に文化の灯」をキャッチフレーズに82年、ライブハウスやイベント運営などの事業会社「吹上文化サロン」を設立。美輪明宏さんや菅原洋一さんの公演を手掛けた。菅原さんは今もライブハウスに出演する。88年には日仏シャンソン協会をつくり、フランスの歌手を招いたり、日本人歌手のフランス公演を開催したりしてきた。
修滋さんは「文化の擁護者として生きた母を尊敬している。その遺志を継いで、ライブハウスをこれからも続けていきたい」と話している。
修滋さんによると、加藤さんは亡くなる数年前から、自身の「しのぶ会」を話題にしていた。「湿っぽいのは嫌。円卓を囲んで楽しく思い出を語り合ってほしい。シャンソンファンを広げるきっかけにしてほしい」などと話していたといい、ライブハウスで活動する歌手ら関係者による「しのぶ会実行委員会」が、遺志を実現した。
会は午後1時半からで、食事付き2万5000円。遺品展示室も併設(閲覧無料)。追悼コンサートは加藤さんの希望に基づき、シャンソンの反戦歌も披露される。問い合わせは実行委(052・733・0085)。【式守克史】