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政府は13日、裁判員裁判対象事件と検察独自捜査事件の取り調べ全過程の録音録画(可視化)義務付けや、他人の犯罪事実を明らかにした容疑者や被告に有利な扱いをする制度(日本版の司法取引)の導入、通信傍受の対象犯罪拡大を柱とする刑事訴訟法などの改正案を閣議決定した。今国会での成立を目指す。
改正案によると、裁判員裁判対象事件などで身柄を拘束されている容疑者の取り調べは原則として全過程可視化する。ただし▽容疑者が拒否して十分な供述を得られない▽容疑者らに危害が及ぶ恐れがある▽指定暴力団構成員が関わっている−−ような場合は例外とする。また、施行3年経過後に対象事件の範囲も含めて可視化の在り方を検討する規定も盛り込まれた。
新たに導入される司法取引は、容疑者や被告が他人の犯罪事実を明らかにすれば、検察官が見返りに本人の起訴を見送ったり求刑を軽くしたりできる制度。取引には弁護人の同意が必要で、汚職や詐欺、薬物・銃器事件などが対象となる。
現在は薬物や銃器犯罪など4類型の犯罪に限って認められている通信傍受は、組織性が疑われる詐欺や窃盗など9類型の犯罪でも使えるようになる。現在は電話会社の担当者の立ち会いが必要だが、録音データが改変できない機器を使えば不要とする。
可視化を巡る議論は、大阪地検特捜部の証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件(2010年)を受けて本格化し、法相の諮問機関である法制審議会の特別部会で議論された。可視化の対象範囲や捜査機関の権限拡大を巡る意見対立もあり、議論は約3年間に及んだが、昨年7月、郵便不正事件で無罪が確定した村木厚子・厚生労働事務次官を含む全委員が改正案を了承した。
また、政府はこの日、裁判員の確保が難しい長期間の裁判を裁判官だけで審理できるようにする規定を盛り込んだ裁判員法改正案も閣議決定した。【和田武士】
■改正案の骨子
※カッコ内は成立後、施行までのおおむねの期間
・裁判員裁判対象事件と検察独自捜査事件の取り調べの全過程を可視化する(3年)
・容疑者や被告が他人の犯罪事実を明らかにした場合、検察官は見返りに起訴を見送ったり、求刑を軽くしたりできる司法取引を導入する(2年)
・証言内容を証人の不利益証拠にしないとの条件で検察官は裁判所に証人申請できる制度を導入する(2年)
・現在は薬物や銃器犯罪など限られている通信傍受の対象に、組織性が疑われる詐欺や窃盗などを加える(6カ月)。録音データを改変できないような機器を使えば、電話会社の担当者の立ち会いは不要(3年)
・公判前整理手続きで検察官が被告側に証拠の一覧表を交付する(6カ月)
・勾留されたすべての容疑者に国選弁護人を付ける(2年)