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あの手この手で受験生獲得を競い合った私立大学の「成績」が出た。今年も、志願者数トップは「近大マグロ」の展開などで知名度を高めた近畿大学だ。
昨年、2位の明治大にわずか378人差で初の志願者数日本一になった近畿大が、今年は11万3704人の志願者を集め、明治大に8千人以上の大差をつけてV2を達成した(データは3月6日昼現在。以下同)。
近大といえばやはりマグロだろう。世界で初めて完全養殖に成功した「近大マグロ」はすっかりおなじみだが、そのマグロが食べられる養殖魚専門料理店として大阪と東京に出店した「近畿大学水産研究所」も長蛇の列ができる人気店として有名になった。昨年12月には近大マグロの中骨だしを使ったカップ麺も発売。次から次へと話題を提供し続けている。
広報部の加藤公代さんは、こう語る。
「今までは志願者は西日本が中心でしたが、『近大マグロ』が全国的に報道されるようになって、志願者が全国から集まるようになりました」
実際に昨年と比べて、関東からの受験生は1753人から2635人へ急増、東北は222人から389人と、東日本の受験生が目立って増えている。
「本学は理系と文系の定員が半々です。昨年までの理高文低の傾向が弱まってきて、減少していた法、経済、経営などの文系学部の志願者数が持ち直したのも、志願者増の大きな要因です。13ある学部のなかで、前年より志願者が減ったのは難関の医学部と薬学部、農学部だけです」(加藤さん)
来年は人気が高い国際系学部が新設されるため、さらに志願者数を伸ばしそう。V3を阻止できる大学はあるだろうか。
(庄村敦子)
※週刊朝日 2015年3月20日号より抜粋