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福島を取材で訪れた主人公が鼻血を出す描写が大バッシングを受けた『美味(おい)しんぼ』鼻血問題。
【写真】雁屋氏が描いた「福島の真実」
騒動から10ヵ月がたった先月、原作者の雁屋哲氏が沈黙を破り、ついに反論本『美味しんぼ「鼻血問題」に答える』(遊幻舎)を刊行。鼻血は決して風評ではないとする著者に、じっくりと話を聞いた。(第1回→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/13/44879/)、(第2回→http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/19/45279/)
PART3では、鼻血騒動に対する福島県民からの意外な反応について、そして福島へのメッセージをお送りする―。
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―ところで、鼻血騒動の時、雁屋さんの元に届いた意見には批判の声が多かったのでしょうか。
雁屋 あの騒ぎの時、2、3週間で900通近いメールをもらいました。そのうちの95%は僕に対する応援でした。(雁屋氏に)同感という意見や、福島県民からは「私たちが言えないことを言ってくれてありがたい」という声。福島に住んでる人たちが何か言うと、変わり者と言われちゃう。だから、本当のことをはっきり言ってくれて嬉しかったという意見が多くありました。
―そもそも『美味しんぼ』で、なぜ福島のことを描いたのですか。
雁屋 震災後最初に青森、岩手、宮城を訪ねて「被災地編」を書きました。そうすると取材で行く先々で「俺たちは一生懸命やろうと思うんだよ。でも、福島第一原発があれじゃ、いつ何が起こるかわからなくて力が抜けるんだよ」っていう声を聞くんです。最初は僕もなんとか福島に復興してもらいたいと思ってた。それで予定どおり福島編をやろうとなったのです。
―私も「福島の真実編」(110巻、111巻)を読みましたが、雁屋さんが福島のことを一番に思って描いているのがよくわかりました。だからこそ、鼻血のコマの部分だけ炎上してバッシングされたというのがわからない。批判する人は、全部を読んでないとしか思えないですね。
雁屋 僕は福島がすごく好きでね。本当は福島応援団のつもりで行ったんです。だから最初は内部被曝に対する考えも甘かったんです。だが、調べていくと原発事故以後の食べ物は相当に汚染されていることがわかった。例えば、セシウムが25ベクレル含まれた食べ物を一日100g食べたとすると、それだけで事故前より147倍も多く摂取することになる(注・日本分析センターが2008年に調査した日常食に含まれるセシウム137の福島市の結果から推定)。
でも、国が食品の基準値を100ベクレル以下と決めたことで、みんなが食品は100ベクレル以下ならいいと思ってしまった。それに食べ物の放射線量も問題だけど、そこで農作業している人たちの被曝はもっと深刻です。
―どういうことですか?
雁屋 土壌に放射性物質がすごく含まれてるでしょう。農作業をしていて土壌を耕すとそれが舞い上がる。田んぼの周りにいるだけで風が吹けば吸ってしまう。だから 食品の線量が低くなってもやっぱりダメだという結論に達したわけです。福島県庁だって僕が行った時には毎時0.5μSvあった。避難指定にすべきですよ。土地の汚染はいくら除染したって取り切れませんから。
―住民の中には被曝は怖いけど、いろんな事情で避難しない人もいます。どうしたらよいでしょうか。
雁屋 本当はここに住みたくないと声を上げることです。かなりの人が声を上げたら、日本人はみんな絶対に反応して応援します。外からなんとかしろと言ってもダメなんです。ある県民が福島の人は従順でおとなしいと言っていましたが、自分の命がかかっているのだから反抗すべきです。
僕がこういうこと言うと福島差別だって言う人がいるけど、それは逆。福島を差別している人だから「年間20mSvでも住め」なんて平気で言えるんだ。もし福島県の人たちを自分と同じ人間だと思ったら、「福島以外に住む僕たちは年間1mSvなのに、なぜあの人たちは20mSvで平気なんだ」と疑問を持って言うべきでしょう。
―雁屋さんに対し、政治家たちはこぞって根拠のない風評だと言いました。それに対してはどう思いますか。
雁屋 風評とは、噂やデマなど事実に即してないことを言いふらすことです。僕が言ってることは自分が体験した事実。それを風評というのは到底受け入れられない。風評と言う人は僕の言ったことのどこが風評かその根拠を示してほしい。誰のどの論文を根拠として、低線量や内部被曝では何も症状は出ないと言い切れるのか。そうしないと議論にならない。
―今、意見が違うと対話もできない風潮になっています。
雁屋 意見が食い違うだけでなく、福島の真実を語ると社会の裏切り者みたいな空気がある。みんなの和を乱すようなことするなって。とにかく僕はきちんともう一度議論したい。みんながいろんな意見を言う。それをしないで縮こまっちゃって、特に福島では放射能のことを何か言うと「おかしい」って言われる。
でも自分たちの命がかかってることなんです。福島の人たちには声を上げてもらいたいし、福島から逃げる勇気を持ってほしいと思います。
***
原発事故から4年が経過し、福島の復興に水を差す恐れがあるテーマは、議論することさえはばかられる風潮が強まっている。だが被曝問題は住民の健康に関わる重要なテーマ。すべてを風評のひと言で片づけず、きちんと議論や検証をしようという雁屋氏の意見は正論だ。
中には渦中に沈黙していたのに、何を今さらとの声もある。だが当時、首相までもが一マンガを批判する異常な事態下で、冷静な議論ができたのかは疑問だ。
■雁屋 哲(かりや・てつ)
1941年、中国・北京生まれ。東京大学教養学部基礎科学科で量子力学を専攻。電通勤務を経てマンガ原作者になり、1983年より『美味しんぼ』(画・花咲アキラ氏)を連載
(取材・文・撮影/桐島 瞬)
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さまざまな「写真展」を随時案内していく本コーナー。キヤノンギャラリー銀座で、2015年3月26日から開催予定の水野紘一写真展「『野鳥讃歌』写真展V」を案内する。
“野鳥たちが素早い動きの中で魅せる、色や形の美しさと見事な飛形。水野紘一氏は、北は北海道から南は沖縄まで、対馬や舳倉島など初めての島にも足を運び、野鳥を追い続けてきました。
本展では、繊細にして、したたかな一面を持ち合わせた、鳥たちの生きざまを見ることができます。”

この数週間ほど、各地で動物の異常行動が数多く確認されている。イワシやブリの大漁、深海魚の捕獲、クジラやオットセイの湾内への迷い込み、例年より早いクマの出没などだ。果たして、動物たちの異常行動は大地震の前触れなのだろうか。考えてみることにしたい。
【その他の画像はこちらから→http://tocana.jp/2015/03/post_6016.html】
■迷い込むクジラ
先月21日10時45分ごろ、沖縄県石垣市の北西部にある川平湾で、ザトウクジラの親子とみられる2頭のクジラが回遊している姿が目撃された。石垣島に暮らす筆者の知り合いに尋ねたところ、景勝地として有名な川平湾は、潮の流れが速く遊泳禁止になるほどの場所であり、そこにクジラが現れたことなど過去にはなかったという。
それから2日後、2月23日には、静岡県御前崎の海岸で全長9メートルのザトウクジラが打ち上げられていた。イルカやクジラは大脳の磁気センサーによって進路を確認するが、それが地殻変動によって発生する電磁波に撹乱され、方向感覚が狂ってしまうとする説もあるので、警戒しておく必要があるだろう。
■イワシの大漁
先月22日、新潟県の佐渡島で大量のイワシの群れが両津港に入り込み、「すぐ釣れる」と多くの釣り人が集まった。これほど多くのイワシが集まるのは極めて珍しいという。
また21日ごろ、岩手県下閉伊郡山田町の大浦漁港にも、海底が見えなくなるほどのイワシが押し寄せた。その後、24日19時36分に岩手県沖でM4.3、最大震度3の地震が発生したが、この前兆だった可能性も考えられる。
そもそも三陸沿岸の漁民の間には、「イワシでやられてイカで助かる」ということわざがある。津波の前はイワシが大量に出現し、津波の後にはイカが大漁になるという、警告の意味を込めた言い伝えだ。実際、関東大震災(1923年)の前兆現象の調査では、ネズミ、イヌに次いでイワシについての報告が多い。阪神・淡路大震災(1995年)の発生前夜、漁では珍しくイワシが海面スレスレまで浮上したという。このように、イワシの大漁に喜んでばかりもいられず、大地震の前兆であるケースも存在するのだ。
■その他の海洋生物も……何かがおかしい
先月23日には、神奈川県の真鶴沖でブリが大漁になったという。また26日には、鳥取県の境漁港でサバを中心にアジやカタクチイワシなど1,110トンの水揚げがあり、今年初の大漁旗が挙げられた。…

ドラマ『相棒』や『リーガルハイ』などを手がけ、いまもっとも多忙な超売れっ子脚本家・古沢良太氏に時間をもらうことができた。いま自身が書きたいことと書けること、仕事への向き合い方、脚本家としてのポリシーを、一言ひとこと考え込みながら絞りだすように語ってくれた。徹夜明けで応じてくれた取材のなかでは、ときに過激な言葉も飛び出したが、エンタテインメントの表現者としての古沢氏の発言は、そこにかける氏のポリシーであり、それ以上の意味をもたない。エンタテインメントを語る言葉としてあえてそのままの表現で掲載させていただく。自らを“時限爆弾を作るのが好きなやさしいテロリスト”とする真意とは?
【写真】多忙ななか徹夜明けで応じてくれた取材の様子
◆いつかすごいものを作れるかもしれない
話題沸騰中の月9ドラマの異色作『デート~恋とはどんなものかしら~』(フジテレビ系)がいよいよ週明け23日に最終話を迎え、ウソと笑いと愛が交錯する映画最新作『エイプリルフールズ』が4月1日から公開される。古沢氏が手がけたこの2作は、ともにラブストーリー。『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)や『リーガルハイ』(フジテレビ系)など、これまで恋愛がメインの物語を書くイメージがなかった古沢氏だが、最近の志向がそちら側に向いているのだろうか。
「(考え込みながら)えーっとですね……。この仕事を始めた頃は、本当に自分に技術がなくて、書けるものが限られていたんですけど、生活していくためにオファーされる仕事をほとんど断らずに受けていて。例えば『相棒』に参加した当初、僕は刑事ドラマなんて全然書けなかったんです。サスペンスも書けなかったけど、一生懸命勉強して、一つひとつ仕事をこなしていくうちに、技術が上がり、書けるものが増えていった。昔は書けないと思っていたタイプのものでも、だんだん書けるかもしれないというふうになってきたなかで、いまラブストーリーを書いているんだと思うんですよね。自分のなかでそういうテーマに興味があるということではなくて、これまでできなかったことにいま挑戦している感じです」
そういう流れのなかでたどり着いた『デート』。視聴率も好調であり、毎週おもしろく拝見していることを伝えると「よかった……」と意外にも心から安堵した表情を見せる。そして、長谷川博己演じる高等遊民を自称する谷口巧と、思いがけず彼を上回る強烈なキャラクターになってしまったという杏演じる藪下依子の設定なども、世間話をしているように気さくに話してくれた。そんな古沢氏の脚本を書き続ける原動力を聞いてみた。
「それはいろいろありますね。小さい頃から何か人とは違うことを考えて、人を笑わせる、喜ばせることがすごく好きだったので、いまでもそのこと自体が好きっていうのが根本にあります。それと、圧倒的におもしろいものを作りたいとずっと思っています。何か思いついたときは“ものすごくおもしろいものができるんじゃないか!?”って期待するんだけど、やっぱり自分の力が及ばなくて、今回もこの程度だったなっていつも思う。それでも前よりはうまくできるようになったところもあるので、続けていけば、いつかすごいものを作れるかもしれない、というところを目指してやっていますね」
「子どもの頃から、ひとりで絵を描いたり、工作をするのが好きでした。いまでもこうやって脚本を書いて、ドラマや映画を作っているとき、ちょっと不謹慎だけど、時限爆弾を作っているような感覚があって。“これが世に出たら、すげーことが起こるぞ!”って思いながらコツコツと作っているんだけど、意外と大したことなくて。でもそうやってニタニタしながら、爆弾を作っているのが好きな、やさしいテロリストなんです(笑)」
◆全てのキャラクターを自分で演じながら書く
穏やかな口調からの、このご時世でドキりとするような最後の言葉だが、発言を通して読んでもらえれば、エンタテインメントに真摯に向き合う表現者であり、気鋭のクリエイターである古沢氏ならではの斬新かつ絶妙な例えであることが理解できる。いたずら心もにじませる会話の節々からは、作品作りに携わることを心の底から楽しんでいるふうな感じがうかがえる。脚本だけでなく、作品として仕上げる演出への興味はないのだろうか?
「よく訊かれるんですけどねぇ。なんかね、めんどくさい(笑)。脚本を書き上げた時点で、自分のなかでは終わるんです。もう一回それに向かう情熱は……けっこう難しいなあ。あと僕は、全てのキャラクターを自分で演じながら、脚本を書くんですよ。登場人物は全員、自分だと思って書いているので。だから書き上げた時点で、自分のなかではもう完成しているので、俳優さんに対して『その言い方は違う!』とか、すごく細かく演出をつけるイヤな監督になると思います(笑)。脚本はパーツのひとつと割り切れるけど、全てを自分でやるハメになったら……とても憂鬱な気持ちになりますね」
今夏は舞台へとステージを変えて、大泉洋らの劇団TEAM NACSの本公演『悪童』の脚本という大仕事が待っている。ひっきりなしに舞い込むであろうオファーのなかから、どのように仕事を選んでいるのかを聞くと、これまでの話から感じた人柄から、なんとなく予想できた答えが返ってきた。
「なんとなくです。とくに明確な理由があるわけじゃなくて、タイミングですね。次に何をやろうかな? と思っているときに声をかけてもらえると“じゃあやろうかな”って気持ちになる。それ以外のときに声をかけられると『いや、いいです』ってなる。それくらいです(笑)」
そんななんとなくのなかでも、そのときに自身が関わるべき作品を自然に引き寄せ、それに携わることになる引きの強さをきっと持っているのだろう。それが並外れた売れっ子になるということなのかもしれない。
「そんなことないと思います。いつも後悔しながらやっていますから。『デート』もすごく自信なかったですし……“今回こそ大失敗するんじゃないか”って、毎回不安のなかでやっているんです」

俳優の岡田将生がアクションに初挑戦する、本多孝好原作の映画『ストレイヤーズ・クロニクル』(6月27日公開)の予告動画とポスターが20日、公開された。
本作では、極秘機関の実験によって、特殊能力を得ることと引き換えに20歳前後までしか生きることができない宿命を背負わされた子どもたちが、未来の希望を信じた昴(岡田)らチームスバルと、未来に絶望し人類の破滅を企てる学(染谷将太)率いるアゲハチームに分かれて死闘を繰り広げる。黒島結菜(碧)や松岡茉優(モモ)ら、注目の若手俳優たちが出演していることでも話題を集めていた。
ポスターと共に公開された動画では、昴の超視覚、モモの超圧縮呼気、亘(白石隼也)の超腕力など、それぞれの特殊能力を使った迫力のあるバトルが展開。さらに、「人間どもが!」と激昂する学に続き、「やめろ!」という昴の叫びが捉えられるなど、両チームの対立の激化を予感させる内容に。また、後半では4人組バンド、ゲスの極み乙女による主題歌「ロマンスがありあまる」が初披露。闘いの中で苦悩する子どもたちの姿とシンクロするかのような、切ない歌詞が印象的な楽曲になっている。
原作は作家の本多孝好氏による同名小説。『アントキノイノチ』(2011年)の瀬々敬久監督がメガホンをとり、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)で、第36回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞した喜安浩平氏が脚本を務めた。
(C)本多孝好/集英社 (C)2015「ストレイヤーズ・クロニクル」製作委員会