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日本では「もはや死語」と揶揄(やゆ)する声すら聞かれようになったスマートシティ。しかし、世界を見ると、状況はまったく異なる。
2015年3月10日から13日までフランス南部のカンヌで開催された、不動産業界で世界最大級のイベント「MIPIM 2015」(図1)。このイベントに参加すると、スマートシティやスマートビルが今後の重要なトレンドであり、その真価を発揮するのはむしろこれからであることが分かる。
図1 不動産業界の世界最大級イベント「MIPIM」(写真: MIPIM)
■大手デベロッパーが仕掛ける
MIPIMでまず目立ったのは、大手デベロッパーや資産管理会社が手掛けるスマートコミュニティ開発プロジェクトである。国内では、不動産大手も手掛けてはいるものの、どちらかと言えば電機大手の看板プロジェクトであることが多い。
一方欧州では、MIPIMを見る限り、電機や情報通信ベンダーは前面に出ておらず、デベロッパーや不動産会社が主導権を握っている。
図2 仏Bouygues Constructionのスマートコミュニティ開発イニシアチブ「LinkCity」の概要と、関連するMIPIM2015のワークショップ・プログラムの模様(出典:日経BPクリーンテック研究所)
例えば、フランスのデベロッパー大手であるBouygues Constructionは、スマートコミュニティ開発イニシアチブ「LinkCity」を立ち上げ、欧州各地でプロジェクトを進めている(図2)。具体的には、英国ロンドン市内の再開発プロジェクト「Canning Town」、新規スマートコミュニティ開発ではスイス・バーゼルの「Erlenmatt West」やフランス・ニースの「エコバレー」の一画「Nice Meridia」などがある。
それぞれの案件で、エネルギー企業、IT(情報技術)大手やネットベンチャー企業などと協業しつつ、欧州版スマートコミュニティの開発を進めている。Erlenmatt Westでは、コミュニティ居住者向けのアプリケーションをパートナー企業と開発・提供している。このアプリは、2015年3月初旬にバルセロナで開催された展示会「Mobile World Congress 2015」で、「つながる家の最優秀ソリューション」(Best Connected Home Solution)に選出された、と同社の担当者は胸を張っていた。
図3 英Canary Wharfグループによる講演「Is a smart city a happy city?」の様子(出典: 日経BPクリーンテック研究所)
英国のデベロッパー・資産管理会社であるCanary Wharf Groupは、「Cognicity」をプロモーションした(図3)。Cognicityはロンドンでの開発プロジェクト「Canary Wharf」におけるスマート化の取り組みであり、「Cognicity Challenge」プログラムというベンチャー企業の発掘や支援を絡めた取り組みがユニーク。
「交通機関の統合」や「つながる家(Connected Home)」など対象となるテーマがいくつかあり、「サステナブル(持続可能)なビル」も含まれている。