社会そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
自動車はスーパーコンピューターを搭載し、人工知能で制御する――。
プロセッサーなどを開発する米Nvidia(エヌビディア)は、2015年1月にラスベガスで開催された家電見本市「2015 International CES」で最新の自動運転技術を発表、人工知能を採用した制御方式を公開した。
このシステムを自動車に搭載すると、カメラで捉えたオブジェクト(物体)を高精度で把握し、周囲の状況を理解する。ドイツAudiはこのシステムの採用を表明している。
Nvidia CEOのJen-Hsun Huang氏(出典: NVIDIA )
■カメラがセンサーを置き換え
NvidiaのCEO(最高経営責任者)、Jen-Hsun Huang氏がCESで発表したのが、自動運転開発プラットフォームの「Nvidia Drive PX」である。同氏は、車載センサーのトレンドとして、レーダーなどがカメラによって置き換えられていることを指摘した。
スマートフォン(スマホ)などのモバイル技術によって、カメラの解像度、ダイナミックレンジ、夜間撮影機能などが著しく向上したためである。
これからは複数の車載カメラを統合する方法で、運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance Systems)や、自動運転車(Auto-Pilot Car)開発が可能となるとの見解を示した。
■クルマの心臓はソフトウエアに
Nvidia Drive PXは、自動運転を支援するプラットフォームである。
同社の最新プロセッサー「Tegra X1」を2個搭載。並列処理、もしくは2多重に利用できる。Tegra X1は「Tegra K1」の後継製品で、テラフロップス(毎秒1兆回の浮動小数点演算)を超える性能を有する。これは、かつてのスーパーコンピューターと同等の演算能力に相当するため、NvidiaはTegra X1をスパコンチップ(Mobile Super Chip)と呼んでいる。
自動運転開発プラットフォームの「Nvidia Drive PX」(出典: NVIDIA)
同社によれば、将来のクルマはスーパーコンピューターを搭載し、ソフトウエアが走行を制御する。まさに「Software-defined Car」、つまりソフトウエアが自動車の機能を決定するようになるという。
■Deep Neural Networkで歩行者を高精度に認識
Drive PXは12台のHDカメラ(60Hz:毎秒60コマ)と接続でき、毎秒1.3ギガピクセル分のデータを処理する。自動車の前後左右や車内に搭載される、最大12台のカメラで捉えたイメージを、同時に処理できるパワーを持っている。
Drive PXは画像認識(コンピュータビジョン)に、「Deep Neural Network」を採用した。Deep Neural Networkとは機械学習のアルゴリズムで、脳の構造を模したネットワークでデータから高次の意味を抽出できる。Deep Neural Networkを自動車に応用すると、単にオブジェクトを認識するだけでなく、置かれた状況を理解することができる。