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米シリコンバレーで学び、生かせる企業の共通点

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米シリコンバレーで学び、生かせる企業の共通点

 米シリコンバレーで学び、生かせる企業の共通点

 

  世界中の起業家やイノベーターが集まり、絶え間なくイノベーションが起こるシリコンバレーから学ぶことは多いし、そこに注目する日本企業が増えたのはいいことだ。しかし、日本企業がシリコンバレーから学んでイノベーションに挑み始めた、という話はあまり聞かない。そんな中、2組の日本のビジネスマンの話を耳にした。

 

 めんじょう・ひろし 小西六写真工業で新事業開発に従事。BCGを経て1991年にシリコンバレーに移住。米ベンチャー企業への投資と日本企業へのコンサルティングを手掛ける。2002年より現職。

  日本の有力企業に中途採用されたある人は、「事業開発」という曖昧な役割しか与えられてなかったが、社内で知り合った仲間とペアを組んでシリコンバレーへの出張を繰り返し、1年足らずで2つの事業機会を見出した。シリコンバレーで市場の潮流をつかみ、魅力ある事業アイデアを見出しただけでなく、自社の強みを生かせるシナリオを描いた。社内でプレゼンテーションしたところ好評で、社長の目にもとまったという。今は日本での事業展開に向け、シリコンバレーのベンチャー企業と交渉している。

  もうひと組は日本の技術系中堅企業の社員のペアだ。この会社はあるハードウエアの高度な技術を持っており、世界のメーカーに部品を供給している。事業は堅調だが、供給先の最終製品の成長は頭打ちが予想されている。

  そこで2人はシリコンバレーで次の市場を探索するプロジェクトを提案した。許可を得て出張ベースでシリコンバレーに長期滞在し、事業機会を求めて走り回った。折からシリコンバレーでは「IoT(モノのインターネット)」という新たなトレンドが興隆しており、この会社の技術がベンチャー企業の製品開発で広く利用される可能性を見出した。現在はシリコンバレーでの本格展開を目指し東奔西走している。

  2組の共通点は、当人たちの情熱と経営幹部からの信頼だ。新しい事業を開拓するには関わる人の情熱が一番大事だ。その情熱を事業創造につなげるためには、経営幹部の後ろ盾が必須だ。上司には部下を信頼して任せる度量が求められる。高度成長期の日本企業には腹の据わった上司がいて、部下が縦横無尽に活躍できた。

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