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◇相談 5年前の20倍
インターネット通販の偽サイトが相次いで見つかっている。安値をアピールして購入代金をだまし取ったり、購入手続きの際に入力させたIDやパスワードなどの個人情報を盗んだりするのが狙いだ。国民生活センターによると、ネット通販で代金を支払ったのに商品が届かないとの相談は5年前の約20倍に達している。センターは「安売りサイトは疑ってほしい」と注意を呼びかけている。【山本紀子】
【総務省調査】「ネット通販」3割が利用、支出内訳の1位Aは「旅行」
「品ぞろえも商品の写真もまるで同じ。びっくりした」。金物・農具の販売会社「瀧商店」(福岡県行橋市)の経営者、瀧修一郎さん(68)が、店のサイトと偽サイトを2台のパソコンで並べてみせた。瀧商店では台所用品から農機具まで売っているが、偽サイトは店名だけを変え、瀧さんが書いた商品説明や写真まで転用していた。偽サイトの商品は全て35%割引で、人気の薪(まき)ストーブは9万円の品が6万円程度で掲載されている。昨年、ネットを検索中に偶然見つけた。
偽サイトには、消費者が商品を購入する際、住所や名前、ネット上のIDとパスワードを入力する欄があり、個人情報を盗み出して悪用するのが狙いとみられる。サイト運営者の名前や住所、電話番号などは一切記されていない。不正アクセス禁止法違反の疑いがあり、瀧さんは県警行橋署に届けたが、偽サイトは今も残ったままだ。
国民生活センターなどによると、実在するネットショップの商品や写真を無断で使う手口は2、3年前から目立つようになった。情報セキュリティー大手のトレンドマイクロ社(東京都渋谷区)によると、以前は外国のブランド品が多かったが、今はブーツやコートなど季節性のある高級品や趣味用品の専門店もなりすましの対象になっている。
大手ネット通販のロゴを用い傘下の正規店を装うサイトもある。楽天(東京都品川区)は「ネット上をパトロールしたり不正業者に抗議文を送ったりしているが排除は難しい」といい「検索サイトで激安商品を探すと偽サイトにたどりつく恐れがある」と注意を呼びかける。
国民生活センターによると、ネット通販の商品未着の被害は09年度は2056件だったが、今年度は3万9700件に急増している。盗んだIDやパスワードを悪用し、ネット通販で勝手に商品を購入したり、自宅住所が偽サイトの企業住所に用いられたりした被害も出ている。
センター相談情報部は「最近は銀行振り込みだけでなくクレジットカードが使える偽サイトがある。カード番号が知られると勝手に流用される」と注意を促す。
不正アクセス禁止法は、偽サイトの作成や他人のID・パスワードの取得を禁じているが、開設者の特定などが難しく、サイト関係者の検挙に至ることはまれだ。センターは「金を払ってしまうと被害回復が難しい。企業情報がないまま格安品を売るサイトは使わないことが大切」と話している。